第四話「あーあ、今日も四面楚歌さ」
「有原さん、大学教授の件、なかなか難しいですね、、、。」
「そうだな。やっぱり知り合いの教授とかに当たるしかないか、、、。飛び込み営業じゃあ難しいな、伝手を辿っていくしかなさそうだ。」
「有原さん、大学はどこだったんですか?」
「しょうもない三流大だよ、、、。不思議なことなんだが、最近論文書こうとしていてさ。こう、やり取りするとな。意外と教授陣の方は、あまり大学という垣根に縛られないような組織だったりもするんだよ。」
「へぇ、勉強になります。ちなみに連絡する教授は?」
「五十嵐教授だな。まぁ、専門は物理学になるから、一般的なアドバイスをもらうだけだがな。」
「その教授が有原さんの卒論を指導してくれたんですか?」
「いや違う、、、。趣味で所属している学会だよ。」
「、、、相変わらず変な趣味してますね。」
五十嵐教授にメールでアポイントを取ったところ、1週間程度で連絡があった。対応可能とのこと。ただし一般的なアドバイスしかできない、とも言われた。
「大丈夫ですかね、、、。一般的なアドバイスだけなら、ぶっちゃけ不要じゃないですか?」
有原は研究室へ向かう途中、熊谷にそう聞かれたので、足を止めて振り返った。
「、、、大学教授のアドバイスってのは、一般的じゃ終わらんのよ。ロジカルシンキングとか批判的な姿勢に関してはプロそのものだ。まぁ、研究の指導をしてくれるんだよ。技術的なご意見役をつけるようなもんさ。」
「、、、なるほど。それなら心強いですね。うちの会社は自分の仕事しかやらない人ばかりですし。」
「、、、あまり悪く言うもんじゃない。だいたいどの仕事でもそんなもんさ。仕事ってのは本来クリエイティブなもんだが、それに気づけないやつが多過ぎるんだよ。それだけさ。」
有原は遠い目をして熊谷にそう言った。
「、、、まあ、文句言うなら誰でもできるんだよ。さあ着いたぞ。」
2人は表情を引き締めて、研究室の扉を開いた。




