第一話「奇人変人大変身」
子供の頃から変わっていて、普通にしろとずっと言われてきた。
学校に適応できるのは普通の奴らだ。
俺、有原修一は、学校教育の被害者だ。
彼は苦労して学校を卒業した後、会社で働いた。すると彼の個性は周囲との差別化につながった。
俺が考えている当たり前は周囲が考えている普通ではなかった。独特な考え方はアイデア生成器として重宝され、やり過ぎる落ち着きのなさは素早い行動力と実行力として評価され、組織人として一定の評価をされた。もちろん最初の数年はルールを覚えることに苦労した。しかし所詮はその程度だ。学生生活ほど生きづらさを感じなかった。むしろ生きるのに必要なスキルを学んでいる、と思ったし、必要な負荷と感じた。
だから思った。
(、、、それなら最初から学校になんか行かせんなよ。どうなってるんだこの世の中はよ。)
コミュニケーション能力だって今の時代AIで学べる。会話のシミュレーションをAIとして不自然ではないかチェックしてもらうのだ。むろん、やってみたが。問題なかった。
「、、、まあ所詮、会社は結果が全てだからな。学校はテストの点だけではないしな。」
学校教育の評価軸は複雑だ。テストもさまざまな種類があるし、攻略方法も一筋縄ではいかない。とりわけ大学受験などは困難の極みであろう。あれを独学のみで突破できるのはある種の天才だと修一は思っていた。
「、、、まあ、俺は社会のはみ出し者だよ。こうして社会人やってるけども。」
今後はAIに代替されるだろうし、、、。
「有原さん」
修一は時計を見た。どうやらもう始業時間らしい。
(ああ、また過集中と思考の飛躍か。)
「すまない。考えごとをしていた。」
「またですか。どんなこと考えていたんです?」
「魂はどういうものか、について。魂が情報であの世がクラウドみたいなものだと捉えると辻褄合うな、と思いを馳せていたよ。」
「相変わらず頭おかしいっすね。」
ハハハ、と笑うこの男は熊谷貞志、俺の同僚だ。たまたま入社時期が近かったのでこうやって仲良くしている。
「おいおいあまり笑うなよ、、、。お前も変わってるよな。俺みたいな変人とコミュニケーション取ってくんだからよ。」
熊谷は少し表情を引き締めて言った。
「まあ、それが大事なんですよ。世の中生きていくと普通じゃない方がいいんです。」
「俺みたいな頭おかしいやつと普通に付き合うのも仕事のうちってことか、、、。」
俺は心の中で舌打ちをしようとした。
「、、、いや、それだけでもないですよ。有原さん、この問題どう思っています?」
「この問題?また技術上の問題か?この前のやつならこの専門書で調べて、あとは仕様書で確認して、、、。」
「いえ、そっちではなくて。うちの会社の朝礼で話していた。会社の問題点についてですよ。俺らでなんとかしてみません?」
俺は大きく咳払いした。
「おいおい熊谷、お前、いくら人当たりいいからってな、、、。あまり大きなことに首突っ込むなよ。さすがに敵ができるぞ?世の中には適材適所ってやつがあって、そのために役職が存在するんだからよ。日本のしみったれた組織だと身の程をわきまえないと潰されるぞ。」
「有原さんだから一緒にやってみたいんですよ。」
俺は内心ため息を吐きつつ、こいつの心意気に動かされて。
「、、、わかったよ。研究開発だろ?」
また後悔するかもしれない選択をして、安定を捨てる覚悟した。




