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新宿  作者: 竹仲法順
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84/1001

第84話

     84

 2017年5月28日午後5時2分。月井はトイレに立ち、用を足して捜査本部に戻ってきた。何かと気が重い。普段からハードワークには慣れているのだが、気が滅入ることもある。タブレットのキーを叩き、職務を続けた。

 多数の刑事が近くにいて、帳場はざわつく。ニコチン臭など、警察官は普通にプンプン漂わせている。特に一課の刑事は喫煙する人間が多く、分煙化されても、その手の臭気はひどい。まあ、長年刑事をやっていると、同じ人種のことがよく分かるのだ。否応なしに。

 午後6時が近まり、デカたちは会議の準備で忙しい。月井も今村も今日一日は内勤で、報告事項等は特にない。ただ、明日以降、仮に外回りとなれば、また街を行くことになる。気にすることもなく、淡々と時間だけが過ぎていく。

 午後6時になり、両角一課長、新井副署長、田川理事官ら幹部と、捜査員が集まる。会議が始まった。報告などが挙げられ、現場の捜査員も事件に関する情報を告げる。特に新宿近辺の地取り捜査はデカたちも連日やっていた。月井も本来ならそっちに回りたいのだが、岸間が命令しないから、街の張り込みになる。

 会議は30分ほど続けられ、報告等が終わって、両角たち幹部が発破を掛けてから終了した。捜査会議ほど味気ないものはないのだが、デカである以上、じっと我慢する。月井はタブレットに、今村はメモ帳に記録などを録った。

 散会後、岸間のところに行く。

「月井君、今村君、お疲れさん。……明日は岡田社長が殺害されたビジネスホテルに行ってくれないか?」

「分かりました」

 月井がそう言い、遅れて今村が、

「……了解です」

 と言って、各々一礼する。そして午後7時過ぎには署を出、帰っていく。また明日から外勤だ。まあ、別に気にすることもなく、淡々とこなすつもりでいた。長期間の捜査において、デカもクールさが必要な時もあるのだし……。(以下次号)







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