第44話
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2017年5月24日午後1時5分。月井と今村は新宿の街にいて、通りを歩き続けていた。ランチタイムが終わり、オフィスビルへと人が流れていく。繁華街は熱風が吹いていた。互いに汗が出ている。スーツ下のワイシャツは汗だくだ。月井も普段から服装などには気を遣っていたのだが、夏日の日差しは容赦ない。たちまち汗や脂で塗れた。
人の流れを見続ける。同時に、ビジネスホテルでの岡田徹殺害事件について考えた。あの部屋で事件当日害者を殺害したのは一体誰なのか?気になっていた。高木梨帆が大の大人を殴打して殺害するとは考えにくいのだし、志村浩も事件に直接的には関係ないと思える。別の誰かが部屋で岡田を殺し、上手く密室に工作して、遺棄したとしか思えない。
昼間の街は幾分眠たげである。絶えず人が動き、街の景色も流れていた。歩きながら、頭の中で思考する。今村が、
「月井巡査部長、何かお考えですか?」
と訊いてきたので、
「ええ。事件について少し」
と答えた。別に事件の全貌を考えているわけじゃないのだが、頭を捻る。
街を見ながら、軽く息をつく。歌舞伎町は常にあちこちでいろんな光景が垣間見える。昼間から一部の風俗店などが公然と営業されていた。盛り場の類で下種なのだが、やっている元締めがマルBなどだから恐ろしい。月井もずっと一課の刑事で来ているので、組対の様子やマル暴の様相などはあまり知らない。別に知らなくてもいいのだ。単に新宿にはそういった輩が多数いて、街では日々いろんなことが起きているというだけで……。
しばらく休みなしに歩くことにした。月井も今村もだいぶ疲れていたのだが、目先のことは気に掛けてない。無線で各担当刑事から様子が知らされる。現時点で事件に関し、目立った進展はない。ちょうど午後2時を回ったところで喉が渇き、各々缶コーヒーを買った。飲んで目を覚ます。カフェインは格好の起爆剤となる。互いに思っていた。逸早く事件捜査が進むよう、捜査担当者としてしっかり頑張ろうと。本来ならデカだけでなく、鑑識や科捜研もフル稼働すべきなのだが……。(以下次号)




