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PONZ! ~ポール・マッカートニー大好きっ子が、路上ライブのシンガー、内気な天才ギタリスト、アクセ好きドラマーとバンドを組んだ話~  作者: 文月(あやつき)
第3部

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おまけ企画「登場バンドの話」

 PONZ! 第3部お読みいただき、ありがとうございました。

 今回はシーやレアの恋物語や、中四国ツアー、新メンバーのエピソードもあり、一話一話のボリュームが大きくなりました。


 東京でのoasisライブは、運よく自分もチケットを手に入れたことから、急遽物語に組み込んだエピソードとなりました。

 また、中四国ツアーで、フレイミングパイメンバーが訪れた地は、おすすめの観光スポットですから、ぜひ遊びに行ってはいかがでしょう。


 今回のおまけ企画は、フレイミングパイが出会った、バンドやアイドルグループをご紹介いたします。


 では、行ってみよう。



■ ブラックシトラス


 松山のライブハウス「ROCK STEADY」を拠点とする四人組バンド。フレイミングパイにとって、最も近くにいた、ライバルであり仲間である存在。

 ボーカル&ギターのユズが放つハスキーボイスは、都会的で哲学的、そして深く内省的だ。社会の矛盾や人間の内面を皮肉混じりに鋭く描いた歌詞は、聴く者を深淵へと引きずり込む磁力を持つ。リードギターのナツはエフェクターを巧みに操り、現実と夢の境界を溶かすような幻想的な音色を生み出す。ベースのマキとドラムのミオが織りなすリズム隊は、複雑に絡み合いながらも鉄壁の安定感を誇り、バンド全体の骨格を支えている。

 実験的で研ぎ澄まされたそのサウンドは、フレイミングパイが目指す「エネルギッシュで明快なロック」とは対極をなす。しかしだからこそ、二組は互いを刺激し、高め合った。ROCK STEADYで共に開催した「B.F祭」を経て、ブラックシトラスはインディーズレーベル「ミュージックブリッジ」からのデビューを果たし、大阪へと羽ばたいていった。



 メンバー

 マキ(ベース・リーダー)/ユズ(ボーカル&ギター)

 ナツ(リードギター)/ミオ(ドラム)



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■ 昭和ロッカーズ


 ポンズの祖父・光月邦彦(みつきくにひこ)が率いる、昭和を生き抜いた大人たちのロックバンド。ビートルズ、レッド・ツェッペリン、ローリングストーンズ――時代を超えて輝き続ける名曲たちを、年齢を感じさせないエネルギーで演奏する。

 若い頃から何十年も弾き続けてきた曲は、もはや体に染み込んでいる。その演奏を初めて間近で見たシーは、思わず手を止め、「うちらもあの歳まで一緒に音楽やってるやろか」と口にした。

 ポンズはこの人たちと幼い頃から何度もセッションを重ねており、ポンズのビートルズ愛と音楽的ルーツはここにある。大晦日のROCK STEADYで開催された年越しセッションでは、フレイミングパイと共にステージに立ち、「Hey Jude」を三世代入り乱れて即興演奏。客席を埋めた家族たちが手拍子で応え、ライブハウスは音楽の温もりに包まれた。



 リーダー 光月邦彦(ポンズの祖父・ギター)



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■ ネンキンボーイズ


 昭和ロッカーズの仲間として大晦日のROCK STEADYに集結した、もう一組のシニアバンド。ベンチャーズやビーチボーイズをレパートリーに持つ、昭和ロッカーズとは少し毛色の違う"軽快なポップス派"だ。

 大晦日にビーチボーイズを演奏したことで「季節はずれ!」とガヤを飛ばされ、会場に笑いを巻き起こした。昭和ロッカーズとのお祭り感あふれる掛け合いも含め、この夜の温かい空気づくりに欠かせない存在だった。

 演奏するジャンルは違えど、「好きな音楽を歳を重ねても仲間と演奏し続ける」という姿勢は昭和ロッカーズと共通している。若いフレイミングパイのメンバーたちが、遠い未来の自分たちを重ねて見た、背中のひとつである。



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■ わたしのぜんぶ 略称:わたぜん


 高松を拠点とする三人組のガールズバンド。フレイミングパイが中四国ツアーで最初に出会った、同世代の仲間だ。

 ギターを持たない三ピース編成でありながら、キーボード&ボーカルの琴音が生み出す音の厚みと、彼女の伸びやかな歌声が、バンドに独特の華やかさをもたらしている。凛のベースはグルーヴィで芯が強く、陽菜のドラムはパワフルにバンド全体を支える。可愛らしいのにどこか芯が通っている、そんな世界観が持ち味だ。

 高松「O-LIVE(オリーブ)」での対バンライブでは、アンコールでフレイミングパイと一緒に「フレイミングパイ」を演奏。キーボードが加わったサウンドの広がりは、ポンズがずっと感じていた「この曲にはピアノが欲しい」という予感を確かなものにした。



 メンバー

 琴音(ことね)(キーボード&ボーカル・高校二年生)

 (りん)(ベース・高校二年生)

 陽菜(ひな)(ドラム・高校一年生・琴音の妹)



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■ カワウソ40010(シマント) 略称:カワシマ


 高知を拠点とするご当地アイドルユニット。グループ名は、かつて高知に棲息していたニホンカワウソと、四万十川の語呂合わせ「40010(シマント)」に由来する。高知の自然とシンボルをアイデンティティに、地元愛あふれる活動を展開している。

 ライブハウス「Ryo-Ma(リョーマ)」のリハーサル中にフレイミングパイと遭遇。シーのルックスに一目惚れし、「アイドル衣装を着てみて」と口説きにかかったが、シーには全力で断られた。

 明るく積極的で、初対面でもすぐに打ち解けるキャラクターは、重たい機材を運んできた直後のフレイミングパイを笑顔にしてくれた。



 メンバー 三人組(いずれも二十歳前後)



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■ ルミナスエール


 東京の大手芸能事務所「スターライト」が擁する六人組アイドルグループ。俳優やトップアイドルを多数輩出してきた名門事務所のもとで活動し、次世代を担う存在として期待されている。

 リーダーの星野嶺音(ほしのれいね)は徳島出身で、毎月一度地元に帰省し、ラジオ番組「れいねの徳島かえりみち」のパーソナリティを務めている。アイドルとしての活動と大学での勉強を同時にこなし、「どちらも言い訳にしたくない、自分で選んだ道だから全力でやる」という姿勢はフレイミングパイに静かな衝撃を与えた。

 嶺音の夢は、ルミナスエール単独での日本武道館公演。事務所の大先輩グループが武道館を満員にした光景を目の当たりにし、「いつか自分たちの力でもあの景色を作りたい」と誓った。徳島でのライブ後、フレイミングパイと「いつかお互いに武道館でライブしよう」と約束を交わしている。



 リーダー 星野嶺音(徳島出身・二十歳)ほか五名のメンバー



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GANJYU(ガンジュ)


 広島を拠点とする四人組バンド。動画サイトの登録者数一万人超えを誇り、SNSでバズらせた楽曲によって全国に名を知らしめたインディーズシーンの注目株。

 一度耳にしたら離れないキャッチーなメロディと、思わず体が動くグルーヴが最大の武器。ボーカル&ギターの瀬戸はMCでも巧みに笑いを取りながら会場を温め、ライブにはダイバーも飛び出す熱狂的な空間を作り出す。「CDは百枚しか売れてないけどサブスクで聴いてな」という自虐的なトークには、インターネット時代のバンドとしての覚悟と自嘲が滲む。

 シーの路上ライブ動画にいち早く注目していた瀬戸は、フレイミングパイに「自分たちで発信しないとコントロールできない」とSNS活用の重要性を直接説いた。この助言は、その後のフレイミングパイの動画発信本格化に大きく影響している。



 メンバー 瀬戸(ボーカル&ギター)ほか三名



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■ ハルカゼ


 広島で根強いライブ人気を誇る、男女混成四人組バンド。SNSやバズよりも先に、地道なライブ活動で地元のファンを積み上げてきた、正統派のバンドマンシップを体現する存在だ。

 最大の特徴は、ボーカル・美波(みなみ)の歌声にある。叫ぶような高音から囁くような低音まで、感情の起伏をそのまま音にしたような表現力は圧巻で、シーをして「これがプロの歌声か」と言わしめた。ステージングも巧みで、客席を煽り、巻き込み、一体感を作り出していく様は見事だった。

 美波はもともとガールズバンドとしてハルカゼを結成したが、メンバーチェンジを経て現在の混成体制になった経緯を持つ。「続けることが大事」という言葉は、その実体験に裏打ちされている。フレイミングパイの「雨と交叉路」を事前に動画で聴いていた美波は、「女の子だけのバンドを応援したくなる」と温かく歓迎してくれた。



 メンバー

 美波 (ボーカル)/ギター(男性)

 ベース(女性)/ドラム(男性)



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 いかがでしたか?

 いくつか深掘りしたくなるほど、実在したら魅力的なグループばかりです。

 フレイミングパイは、今後四国を飛び出し、福岡、大阪へと、活動の幅を広げ、西日本での地位を築いていきます。

 数々のロックフェスで場数を踏み、次第に大きく成長していくことでしょう。


 いったん、この物語は区切りとなります。また第4部でお目にかかれるよう、構想を練ってまいります。

 改めて、ここまでお読みいただきありがとうございました。


 文月(あやつき)

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