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雨のち曇りそして晴れ

作者:冬馬
冴えない中年のサラリーマンの康二はの唯一の趣味はバイクだ。
愛車は、旧車と言われる古いバイクではあるが、人気車種では無く、今となっては誰も知らない地味なバイクである。
だが、康二は、この愛車をこよなく愛し、日々、メンテナンスに明け暮れている。

 他人から見れば、古臭いバイクに乗っている冴えないおじさんでも、康二はそんな事は気にしていない。この古臭い愛車に乗り続けるのには、理由があったのだ。

 ある雨の日、康二は、馴染みのバイク屋に行く途中のコンビニで、仲間に置いてけぼりをされた一人のライダーを見かけた。

 ポツンと一人、バイクの前で雨に打たれているライダーを見た康二は、居た堪れなくなった。

 それは、あの日の自分と重なったから……

 普段、他人との関わりを、持ちたがらない康二は、バイクのエンジンをかけるために悪戦苦闘しているライダーを助けようと、声をかけた。

 ヘルメットを脱いだライダーは、女の子で、大学生だった。

 憧れの先輩たちと久しぶりのツーリングに出かける予定だったのだが、途中で、バイクの調子が悪くなり、雨も降って来たので、迷惑にならないように、ここで遠慮したと言う。

 その話を聞いた康二は、改めて、彼女のバイクを見たら、

 酷いな……

 何ヶ月も手入れしていない、まるで放置バイクのような状態っだったのだ。

 かわいそうに……

 それは、置いて行かれた彼女に対してではなく、バイクに対してだった。康二は、悲しかったのだ。

 そのまま、彼女を放っておくわけにもいかず、康二は、馴染みのバイク屋に連れて行く事にした。

 その店には、店主の腕は良いが、客を選ぶ昭和世代の頑固オヤジをはじめ、個性的な面々が集まるショップだった……
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