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目的、冰姫


桃愛とさくらが生徒会に連れ出されたその後、彼は屋上に向かった。


ガチャ


バタン


「どうしたば?しに荒れてるふーじーど」

(どうした?物凄く荒れてるみたいだけど)

「チッ、あいつらは本当に...無茶ばっかしやがって」

「は?冰姫(こおりひめ)のことだば?」

(なに?冰姫のこと?)

「そうだけどなぁ、あいつはまた寂しがりやの泣き虫のくせして一人で動き回ってんだよ。ったく。」

「言えばわんは手伝うぜ?やーの大事なヤツやし、わんも気に入ってるばーよな」

(言えばオレは手伝うぜ?お前の大事なヤツだし、オレも気に入ってるんだよ)

「なにかありゃあ声はかけるだろぉがよぉ、それでもなんつーか見てられねーんだよ。」

「かまちょか。やーよりさ、あいつのほうが寂しがってるんどやー。冰姫ど?大丈夫やさ」

(かまってほしいのか。お前よりはあいつのほうが寂しがってるはずじゃん。冰姫なら大丈夫だよ)

「わーりぃ、ありがとな、カズ。俺もカッコわりぃな。助言助かったぜ」

「リクのためやし。わんはやーのためならたいていは出来るだけは叶えたいばーてーよ。やーはわんの友達で尊敬するアニキだからよ」

(りくのためじゃん。オレはお前のためならたいていは出来るだけは叶えたいんだよ。お前は俺の友達で尊敬するアニキだからよ」

「ふ、そうか。ありがとな、カズ。」

「やーに言われると照れるやし」

(お前に言われると照れるじゃん)

「お前本当に犬みたいだなぁ。オレなんかしたっけ?」

「やーは居るだけでもわんの憧れどや。にぃにぃ以外で初めてわんが負かされたヤツど。わんが一生勝てんヤツだし、それにわんはやーに認めてもらってるやし。それだけでわんには十分だばーよ」

(お前は居るだけでもオレのあこがれなんだよ。アニキ以外で初めてオレが負かされたヤツじゃん。オレが一生勝てんヤツだし、それにオレはお前に認めてもらってるじゃねーか。それだけでオレには十分)

「嬉しいこというねぇ。そぉいやカズ、お前風紀委員に入ったんだろ?」

「そうだばーよ。わんがど。ありえんよや」

(そうなんだよ。オレがだよ?あり得ないし)

「だよなぁ。なぁんでお前が風紀委員なんだよ。可笑しくね?」

「なぁ。でもやーも言えんやし。てか、やーの方がタトゥーはデカイやし」

(なぁ。でもお前もいえねーじゃん。てか、お前の方がタトゥーはデカイじゃんか)

「タトゥーはだろぉがよ。それにこれは伝統みてぇなモンなの。信頼の証を形で示さなきゃなんねぇの。それにカズやサヤみたいにメッシュはいれてねぇしな」

「わったーだっていれてはいてもそうそう変わらんばーよ。第一極道一家のクセにヤクもタバコもやってねー健全な家族だばーよ」

(オレらだっていれてはいてもそうそう変わらんし。第一極道一家のクセにヤクもタバコもやってねー健全な家族だっつの)

「お前らホント不思議だよな。そのクセして周りは皆びびらせるしよ。特にサヤはキレたら手ぇつけらんなさそぉだな」

「目付きが少しだけ悪いやし。それでど。ふだんは温厚なのに勝手にびびってるのはあったーど」

(目付きが少しだけ悪いじゃん。それで。ふだんは温厚なのに勝手に怖がってくるのはあいつらだ)

「まぁ確かに普段は犬だしな。...そぉそぉ、オレ近々生徒会に招かれるみたいだわ」

「はぁ?...どーするば?」

(はぁ?どーすんだ?)

「今んとこ半々。あーあ、けっこー、寂しいもんだな。暇潰しにお前でもいじるか?」

「わちゃくんな。やったーはほんとに溺愛やし。過保護もそこまでいくとなぁ」

(いじるな。お前らはホントに溺愛じゃんか。過保護もそこまでいくとなぁ)

「仕方ねぇじゃんか。まぁ、いいさ。あいつが幸せならそれでいいし。でもな、もし泣いてるんであればこんな茶番、すぐにでも潰してぇしな」

「潰したら今までの意味がないやし。一年もないやし。これさえ乗りきればそれで終わりど」

(潰したら今までの意味がないっつの。いちねんもないじゃんか。これさえ乗りきればそれで終わりじゃん)

「まぁな。でもなぁ、説明があんな手紙ひとつなんてそれで済まされるわけねぇだろ。せめて見守っておくか。その為にこの学園に来たしな。ま、あいつに乗せられた気もするが」



彼らの目的とは?一体...なに?


なにも知らないさくらの前に、その頃ティラミスが並ぶ。






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