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アウターマウカー ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
C.【アウターマウカーの国編】
55/105

55.C【敵性】

    【07】


化物島(テミスモイラ)

◎クロト町 (第二の事件・続)

 『三都市連続女性殺人(未遂)事件』[未解決編]


※『ウヒヒヒ 今回は帰りが早かったな』


 【アウターマウカー】


    [M32/4月]


悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島(テミスモイラ)のクロトとラケシスの町で成人女性の殺人事件が連続して発生していてアトロポスの町では成人女性の殺人未遂事件が起きていた。


しかし アトロポスの住民である負傷した女性の救出の際にはアトロポスの一人の男性刑事が犠牲となってしまったのに肝心の真犯人である黒い人影は逃げてしまった。


その後は…見つかってしまったので少しはおとなしくなったのか…あれから姿を見せず…黒い人影による殺人事件も発生しなくなったようである…。

だが〈アウターマウカー〉たちはその後も必死になって黒い人影の行方を追っているようだ。



その頃には各町での建設ラッシュがさらに加速して人口も増加していて遂に三都市と東部にある〈アウターマウカー〉の本拠地を繋ぐ道路(ひとつの町にそれぞれひとつずつ)の建設も開始したのである。

三都市と東部を繋ぐ道路の中間地点には中継所(パーキングエリア)も造られていた。



警察やアルヴァロス・X・ラピッドマンや〈アウターマウカー〉たちは引き続き黒い人影の捜査をしている。



登場人物

①アルヴァロス・X・ラピッドマン

②エリオット警部(警察官)

③アトロポス町の住民 (成人女性)

④〈アウターマウカー〉(ステージ3)



 ある日の朝


クロトの町の北側のはずれにあるアルヴァロスの別荘

アルヴァロスは別荘の庭にある木で造られたテーブルとイスのイスに座りテーブルの上に両足を置いて何かの本を読んでいた。


   ―-―-―-―-―


 しばらくすると……


エリオット警部と一体の〈アウターマウカー〉が一人の人間の成人女性を連れてアルヴァロスがいる所まで歩いてやって来ていた。


それに気づいたアルヴァロスがエリオット警部たちに声をかけてきた。

①「やぁ エリオット警部か? 今日は一体どうしたのだ?」

②「あっ アルヴァロス様 どうもです 毎回ご協力ありがとうございます。」

④「ふんっ!」

①「…ふっ…」


するとエリオット警部と〈アウターマウカー〉は周囲を見渡していた。

①「ん? だからどうしたのだ? 二人共?」

④「アイザックと侍女の二人はどうしたのだ?」

①「ああ あの二人なら観光して帰っていったよ。」

②「えっ!? 帰ってしまったのですか?」

①「ああ そうだ あの二人に何か用でもあったのか?」

④「……いや 何も問題ない」

②「……」

①「…?」

③「あのーー…」

その時…エリオット警部の背後にいた成人女性が身を乗り出すようにして話しかけてきた。


①「ん? 誰だ?」

アルヴァロスがその後ろにいた女性に気がつくとエリオット警部が彼女の紹介を始めた。

②「あっ 彼女は先日のあの黒い人影に襲われたアトロポスの住民の女性で名前は "エウノミア" さんです。」

①「ああっ! あの時の…! その後は大丈夫だったのか?」

③「はい お陰様で大丈夫でした その節はどうもありがとうございました。」

①「ふむぅ それは良かったな。」

④「ちっ! あの後…あの黒い人影はまったく姿が見えなくなってしまったのだよ 我々に見つかって姿を隠したのか?」

②「……」

①「そうか? そいつは大変だな? もしかしたら むこうは様子見なのか?」

②「そこで今回の殺人事件の唯一の生存者である彼女に事情を説明してもらおうと思いまして…アトロポスの警察での事情聴取はもう終わっていますので大丈夫です。」

①「そうか それなら立ち話もあれだから別荘の中でゆっくりと聞こうか。」

②「あっ そうですか? 判りました。」

③「はい 判りました。」

④「……」

アルヴァロスたち四人は別荘の中に入っていった。


   ―-―-―-―-―


別荘のリビングの中央には長細いソファーと長細いテーブルが並んで置いてありテーブルの奥の方にはアルヴァロス専用の一人用のソファーがありそこにアルヴァロスが座り長細いソファーにはエリオット警部とエウノミア氏が並んで座り〈アウターマウカー〉はリビング左側にある大きな窓のそばに立っていてテーブルの上には四人の前にそれぞれコーヒーと中央にお菓子が置いてある。



今回の連続女性殺人事件の体験者であり生還者でもあるエウノミア氏から当時の体験を詳細に説明してもらっていた。

③「―――と言う訳です。」

②「……」

④「…ちっ!」

①「…ふむぅ」

②「……人間の身体のパーツを集めている…?」

③「はい そうです」

④「なんだそれは? ならば一人の人間の身体を奪い取ってからパーツごとにバラバラにすればいいのではないのか? まったく面倒臭い事を…!」

①「確かに…な」

②「相変わらず凄いことを言いますね 二人共…」

③「でも それでは意味がないそうです 別の人間からそれぞれひとつずつ……私も左腕を奪われそうになりました。」

②「…一体何の為にそんなことを?」

③「残念ですがそれは解りませんでした。 質問しても回答がありませんでした。」

④「ちなみに "アレ" は喋れるのだな?」

③「はい 私でも判る言葉で話しかけてきました。 "アレ" に口があるのかは解りませんが人語は話せると思われます。」

④「……」

①「……」

②「…何で女性限定なんでしょうかね?」

③「あっ! そうですよね あの時はそんなことまで考えていませんでした。」

④「いや キミがそんなことまで考える必要はない だいたいこれから殺されるかもしれないのに「何故女性限定なのか?」などと考えている余裕などはないはずだ。」

①「確かに…な」

②「そうですよね そんなことは直接本人に聞かないと解りませんよね。」

④「それに重要なのは "アレ" の所在なのだがな?」

①「それと "アレ" に仲間がいるのか?」

②「しかし最近ではあの黒い人影の姿もそれに関連する事件もありませんよね。」

③「アルヴァロス様や〈アウターマウカー〉たちに恐れをなしてこの島から逃げ出したのでしょうか?」

②「それならそれでありがたいですよね。」

④「おいおい その台詞(セリフ)は正義感溢れる警察官の言う台詞(セリフ)ではないな。」

①「ふふふ なかなか人間らしい台詞(セリフ)ではないか。」

④「だがこの島での人間の殺害を(あきら)めていて別の場所に行って人間を殺害している可能性も否定できないと思うな。 人間なんて何処にでも居る存在だからな…。」

②③「……」

①「確かに…な」

④「我々はこの島だけではなく世界中にいる同胞たちにも呼び掛けて "アレ" の行方や正体を追い続けて必ず掴むつもりだ! 逃がしはしない!!」

①「何故 そこまで執拗に追う?」

②「確かに警察官の自分が言うのもあれですが自分もそう思います。」

③「……」

④「直感だよ 人間で言うところの "第六感" だとか "第七感" だとかだと思うのだ。 私も自分が化物で言うのもあれだが "アレ" は非常に危険な存在であり将来必ず地球を害する存在であると我々の直感がそう語っているのだよ…。」

③「将来…地球を害する存在…?」

②「そう言われてもいまいちピンときませんね。」

④「その内 判るさ もっともその頃になって手遅れになっていなければよいがな…。」

①「確かに…な」

③「私たち人間はどんな対策をとればいいのでしょうか?」

④「最早(もはや)人間だけで対応できる相手ではないと私は思っている。」

②「…そんな…」

③「……」

①「確かに…な」

④「アルヴァロスよ 貴様は何か策はないのか?」

①「………ないな」

②③「……」

④「…そうか…」

その後も四人の話し合いは続けられていた。


   ―-―-―-―-―


 一方 その頃……


地球の何処かにある地面のはるか下にある地下某所では黒い人影が沢山いて…なにやら騒いでいた。


『ウヒヒヒ 今回は帰りが早かったな』


『ああ 途中で邪魔が入ってな 結局 両足しか奪えなかった』


『…邪魔? 人間にか?』


『いや 違う 確か〈アウターマウカー〉とか言う化物にな』


『…ほう 〈アウターマウカー〉だと?』


『ああ おそらく これからも邪魔してくると思われるな』


『なるほど 〈アウターマウカー〉か…』


『………』


なにやら不穏な動きが地球の下の方から少しずつなのだが(うごめ)き始めていた…。



   ―-―-―-―-―



    『邪魔とみなす』

※『ウヒヒヒ 今回は帰りが早かったな』

どうやら今回起きた連続成人女性殺人(未遂)事件の真犯人は撤退していたようだ。

  ―――――――

〈アウターマウカー〉が支配する化物島(テミスモイラ)の三都市で成人女性の殺人事件と殺人未遂事件が連続して発生していた。

アルヴァロスや〈アウターマウカー〉たちは今回の殺人事件で助かって生き残ったその成人女性のエウノミア氏に当時の現場・状況の説明を聞いていて対応を話し合っていた。

一方の黒い人影は一時撤退しており不気味さを残したまま殺人事件もまた未解決ままである。



   『化物の国』

〈アウターマウカー〉所有の化物島(テミスモイラ)にある街の情報(データ)を表示したものである。

 [見方]

街の名前

場所:人口(人数)

施設:様々な建物の多さ

 A(多数).B(普通).C(少数)

交通:交通機関と手段の拡充

 A(便利).B(普通).C(不便)

発展:街の発展度合い

 A(最高).B(普通).C(最低)

人口総数:島内に居る人間の総人数

  ―――――――

 【テミスモイラ】

 [クロト]

◎北西部:700人

●施設:B 交通:A 発展:C

 [ラケシス]

◎中央部:700人

●施設:B 交通:A 発展:C

 [アトロポス]

◎南西部:700人

●施設:B 交通:A 発展:C

 ※人口総数:2100人

〈アウターマウカー〉

 [???]

◎東部:50000人

●施設:C 交通:B 発展:C



  【登場人物紹介】

    [簡易型]

 [エウノミア]

年齢:25歳

身長:166cm

出身:オランダ(国籍)

職業:OL

何かの事情で化物島(テミスモイラ)のアトロポスの町に移住してきた成人女性である。

会社勤めの一般社員のOLであり一人暮らしをしている。

実は結婚しており夫は既に他界している未亡人である。



    【備考欄】

1.今回登場した〈アウターマウカー〉は前回登場した二体の〈アウターマウカー〉の内の一体である。

2.アイザック・グラディデンスとヴィーナ・L・ヴァレンタインの二人は今回の殺人事件の長期化を懸念して化物島(テミスモイラ)を観光してさっさと脱出して帰路についた。

目的は果たせたのだろうか…?

3.三都市の道路整備もだいぶ完了しており三都市と東部を繋ぐ道路の建設も順調に進んでいて人間でも通れる事が可能となってきている。


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