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アウターマウカー ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
C.【アウターマウカーの国編】
49/105

49.C【誘拐】

    【01】


化物島(テミスモイラ)

◎クロト町 (第一の事件)

       『誘拐事件』


※『私の前では誘拐などは皆無に等しい。』


 【アウターマウカー】


   [M32/2月]


悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島(テミスモイラ)の複数の街では様々な事情を持つ人間たちが暮らしているのだがその中にはあの【ゼロ】でもある『アルヴァロス・X・ラピッドマン』も別荘を持っていて少しの間なのだが住んでいた時期があったという。

アルヴァロスの別荘はクロトという町の北側のはずれにある一般的な普通の人間にはあまり近づいたりしないような所にあるようである。


かつて〈アウターマウカー〉と【ゼロ】は対立していたのだがどうやら〈アウターマウカー〉がこの魔法世界に溶け込んでいく内に【ゼロ】にも変化が現れていてそれを順応しているようである。

さらに言うならばアルヴァロスは以前から〈アウターマウカー〉についての研究をしていて〈アウターマウカー〉が支配する街にも興味を持ち今でも研究を継続している事から他の【ゼロ】よりかは研究対象である〈アウターマウカー〉に親近感?を持つようになっていき対立しているはずの両者が同じ島に居るという不可解な現象が起きているのである。



登場人物

①アルヴァロス・X・ラピッドマン

②〈アウターマウカー〉(ステージ3)

③クロト町の住民 (成人男性)

④クロト町の住民 (成人女性)



 ある日の午後


アルヴァロスはいつものように別荘の庭にある木で造られたテーブルとイスのイスに座っていて両足をテーブルの上に置いていて何かの本を読んでいた。


   ―-―-―-―-―


そこに〈アウターマウカー〉が男女二人の人間を引き連れて訪ねにやって来ていた。

②「あれだ! あれがアルヴァロスだ!」

〈アウターマウカー〉がアルヴァロスの方に人差し指を()していて男女二人の人間と話していた。

③「あの方が【ゼロ】様ですか…?」

②「ああ その通りだ!」

④「…あの方が…?」

〈アウターマウカー〉と男女二人の人間はアルヴァロスの別荘の庭まで入ってきていてそれに気づいたアルヴァロスがそのままの状態で動かずにやって来た〈アウターマウカー〉と男女二人の人間に声をかけてきた。

①「…何か用か…?」

②「我はただ道案内をしただけだ 君に用があるのはこちらの二人の人間の方だ。」

①「……何…?」

③「どうもです アルヴァロス様」

④「…どうもです…」

その男女二人の人間はアルヴァロスに向かってペコリとお辞儀をしていた。

アルヴァロスは男女二人の人間に話しかけてきた。

①「それで…何かこの私に用でもあるのかな?」

③「はい まずは紹介させていただきます 私の名前はエヴァルシスと言いまして…こちらは妻のエイレネと言います。」

①「…ほう …で?」

④「お願いです! 私たちの赤ちゃんを捜して下さい!」

①「…はぁ?」

③「あっ! 突然申し訳ありません 実は―――」


エヴァルシスはアルヴァロスにこれまでの事情を話した。

エヴァルシスとエイレネは夫婦であり少し前に買い物をしていたところに夫婦が少し目を離した(すき)に赤ちゃんが行方不明となりその後も夫婦がいくら探しても見つかっていないようでありどうしたらいいのか…と詳細をアルヴァロスに説明していた。


①「ふむぅ 赤ん坊がねぇー …ん? 警察は? 君たちの街にも警察ぐらいは居るのだろう?」

④「……」

エイレネはうつむいていた。

①「…ん? どうしたのだ?」

③「確かに警察は居ますけど…駄目でした」

①「…はぁ?」

④「今は多忙な時期であり赤ちゃん "ごとき" に時間を使っている(ひま)はない! …と取り合ってくれません!」

①「…何? 一体何の為の警察なのだ? 愚か者め!」

②「ふふふ 確かに」

①「……」

アルヴァロスは〈アウターマウカー〉の方を見た。

②「ふふふ まさか我々を疑っているのかな? 残念ながら我々が(しょく)するのは『邪悪』で『憎悪』に満ちた魂であり赤ん坊にそんな感情はまだないはず。」

①「ふむぅ なるほど 後アレはどうなのだ…?」

②「ふふふ 『悪魔ウィルス』の実験台の方の事かな? それは不可能だな 赤ん坊の体力ではとてもではないが耐えきれない そんな判りきった事を我々はしない 無駄な努力だ」

①「…ほう そうか…」

④「あのー …もしかして『誘拐』されたのですかね?」

①「…『誘拐』…?」

③「…っ!!」

①「それはもしかして身代金などの要求でもあったのか?」

③「…いえ それはまだ…なのですが…」

①「ふむぅ 君たちの赤ん坊が行方不明になったのは確か…昨日の…」

③「夕方です …少し目を離した(すき)に…」

①「ふむぅ 既に1日近く経っているのか…? 確かに心配だな だが『誘拐』とは…な…」

②「……」

④「あのー もしよろしければ一緒に捜していただけないでしょうか?」

③「すみません 宜しくお願いします アルヴァロス様」

①「ふむぅ まぁ いいだろう どうせ(ひま)だしな その赤ん坊を見つければいいのだろう?」

②「へぇー」

③④「あっ ありがとうございます アルヴァロス様」

エヴァルシスとエイレネの夫婦はアルヴァロスに向かってペコリとお辞儀をしていた。

①「ではまずは君たちの赤ん坊が消えた所に案内してもらえないか?」

③④「はい! 判りました!」

②「……」

アルヴァロスたち四人は別荘を出て行った。


   ―-―-―-―-―


アルヴァロスと〈アウターマウカー〉とエヴァルシスとエイレネの夫婦の四人はクロトの町の方に向かい夫婦の赤ちゃんが消えた大型のショッピングモールの前に到着していた。


アルヴァロスは大型のショッピングモールの外観を見上げていた。

①「ほう いつの間にこんな大きなショッピングモールができたのか?」

④「…はぁ 私の赤ちゃん…」

②「…ここか…?」

③「あのー どうぞ こちらです」

①「ああ そうだな」

エヴァルシスの案内でアルヴァロスたちは店内に入り1階のトイレの前まで案内されたのである。

①「ふむ ここかい?」

③「はい ここで少し目を離した(すき)に 私たちの…」

④「…うっうっうっ 私たちの赤ちゃん…」

③「…エイレネ…」

エヴァルシスとエイレネの夫婦はお互いに抱き合っていた。

②「…トイレか… ここで聞き込みでもするのか? アルヴァロスよ」

①「そんな必要はない」

そう言うとアルヴァロスは壁に手を当てて目を閉じた。

③④「…??」

アルヴァロスのその行為をエヴァルシスとエイレネの夫婦は不思議そうな顔で見ていた。

②「…」(なるほど 壁と会話をしているのか)

①「……」

③「あ あのー 一体何を…?」

②「しっ 静かに」

③④「…??」

少し時間が経過するとアルヴァロスは壁から手を離して目を()けた。

②③④「…!」

①「…見つけた…」

③④「…えっ!? 見つけた…ですか?」

②「…ほう さすが…」

①「ふむ なるほど 確かにこれは『誘拐』かもしれないな」

③④「…っ!?」

①「黒ずくめの服装で人相の悪そうな一人の成人男性が君たちの赤ん坊を連れ去るのが()えたのだよ。」

③「くっ! 畜生ー!」

④「そ そんな!」

②「ちっ! それでそいつは今は何処に居るのだ?」

①「ふむ 残念ながらこの街にはもういないようだ 今はアトロポスの町に居るようだな。」

②「…何? もうそんな所に居るのか?」

③「それならすぐに追わないと!」

①「待ちな! その必要はない!」

④「…えっ!? それは一体…?」

エイレネが何かを言い終わる前にアルヴァロスは魔法を発動した。


【補助魔法】

《シャドーアウト》を使用


アルヴァロスの足元から黒い人影が出て行きそのまま何処かに飛んでいってしまった。

そしてアルヴァロスはエヴァルシスとエイレネの夫婦を落ち着かせて少し待つように言ってきかせた。

①「二人共 いいから少し待ちなさい!」

④「で でも…でも…」

③「ここはアルヴァロス様に任せよう エイレネ」

②「ふん なんでもいいが一旦ここから離れようか いいな? アルヴァロスよ」

①「ああ そうだな よろしいですね? お二人方」

③④「…はい…」

アルヴァロスたち四人はトイレの前から別の場所に移動して行った。


   ―-―-―-―-―


さらに時間が経ち大型のショッピングモール内にあるカフェ店でアルヴァロスたち四人が休んでいるとアルヴァロスの先程の魔法で飛び去っていた黒い人影がアルヴァロスのもとへ戻って来ていた。


①「むっ! 戻ってきたか?」

③④「…えっ!? 嘘っ!? あれは…?」

②「な 何っ!? まさか こんな事が…?」

だが…なんとっ!!

ただ戻って来ただけでなくその黒い人影は夫婦の赤ちゃんを()(かか)えて戻って来ていたのである。

①「ふふふ よし 連れてきたか 容易(たやす)いな」


   ―-―-―-―-―


こうしてエヴァルシスとエイレネの夫婦のもとに赤ちゃんが無事に戻って来たのである。

④「あぁ 私の赤ちゃん 良かった」

エイレネは自分の赤ちゃんを()いて喜んでいた。

③「アルヴァロス様 本当に本当に…ありがとうございました。」

エヴァルシスは何度もアルヴァロスに向かってペコリとお辞儀をしていた。

①「はっはっはー! 私を評価しろ 私を評価しろ!」

②「…ふん…」

③「本当にありがとうございます 一体何を御礼(おれい)したらよいのやら…」

①「ふふふ 礼などはいらん 困ったらまた来なさい 私がこの島に居る間にな。」

②「へぇー」

③「はい ありがとうございました アルヴァロス様」

④「本当にありがとうございました アルヴァロス様」


その後はエヴァルシスとエイレネの夫婦とその赤ちゃんは自宅に無事帰宅していきアルヴァロスと〈アウターマウカー〉は二人となって(とど)まっていた。


②「やはり 凄いな アンタは 1日も経たずに事件を解決させるとはな…」

①「いや 事件はまだ解決していない 犯人をまだ捕まえていないからだ」

②「…何? 赤ん坊は両親のもとに戻ったのにか…?」

①「ああ そうだ そいつは非常に危険だと思う…がこの街での警察は非常に頼りない だが野放しにはできない」

②「なるほど 君の直感か? …で 追うのか? アルヴァロスよ」

①「ふむ そうだな できれば…だがな…」

②「……」

どうやらアルヴァロスはまだこの事件に関して興味があるようである。



   ―-―-―-―-―



   『誘拐事件』

※『私の前では誘拐などは皆無に等しい。』

最低限の事件情報と事件現場が判ればほぼ解決に近づける事ができるという。

  ―――――――

〈アウターマウカー〉が支配する化物島(テミスモイラ)のクロトの町で誘拐事件が発生した。

クロトの住民であるエヴァルシス(男)とエイレネ(女)の夫婦の赤ちゃんが何者かに奪われてしまう。

困り果てた夫婦が〈アウターマウカー〉を通じて『アルヴァロス・X・ラピッドマン』に赤ちゃんの捜索を依頼してから1日経たずに赤ちゃんを無事に夫婦のもとに取り戻す。

しかし犯人はまだ捕まっていない。



   『化物の国』

〈アウターマウカー〉所有の化物島(テミスモイラ)にある街の情報(データ)を表示したものである。

 [見方]

街の名前

場所:人口(人数)

施設:様々な建物の多さ

 A(多数).B(普通).C(少数)

交通:交通機関と手段の拡充

 A(便利).B(普通).C(不便)

発展:街の発展度合い

 A(最高).B(普通).C(最低)

人口総数:島内に居る人間の総人数

  ―――――――

 【テミスモイラ】

 [クロト]

◎北西部:295人

●施設:C 交通:C 発展:C

 [ラケシス]

◎中央部:305人

●施設:C 交通:C 発展:C

 [アトロポス]

◎南西部:300人

●施設:C 交通:C 発展:C

 ※人口総数:900人

〈アウターマウカー〉

 [???]

◎東部:50000人

●施設:C 交通:C 発展:C



  『使用魔法の紹介』

今回 登場したアルヴァロスが所有している魔法を紹介する。

【補助魔法】

《シャドーアウト》

(元素:闇&透過魔法)

闇や影を使用して攻撃などの現象を対象者を通過して消してしまう。

今回の定義では攻撃などの現象を「赤ちゃん」として対象者を「誘拐犯人」とする事で赤ちゃんを犯人の前から消してしまったのである。

きっと犯人は今頃何があったのか解らずに混乱しているはずである。

(アルヴァロスの通常魔法)



  【登場人物紹介】

    [簡易型]

 [エヴァルシス]

年齢:31歳

身長:169cm

出身:イギリス(国籍)

職業:営業部サラリーマン

何かの事情で化物島(テミスモイラ)のクロトの町に移住してきた成人男性でありエイレネの夫にあたる。

最近になって息子が誕生して喜びと活力を得た。


 [エイレネ]

年齢:29歳

身長:159cm

出身:イギリス(国籍)

職業:専業主婦

何かの事情で化物島(テミスモイラ)のクロトの町に移住してきた成人女性でありエヴァルシスの妻にあたる。

夫婦は子供に恵まれずに心機一転でクロトの町に移住したところ息子が誕生して夫以上の喜びと活力を得た。


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