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運命の恋の隣で  作者:
3/3

2話

桜が舞う門の前で、シンシアは足を止めた。

淡い花びらが、白い石造りの校舎を包む。


――ここが、リュミエラ学院。


革命のあと、新しく建てられた学び舎。

まだ新しい石壁の匂いが残っている。


人々の前に立たされ、見世物のようにされていた少女とは、違う。

そう言い聞かせる。


(今日から、始まる。)



「シンシア!」


鈴のような声が後ろから聞こえた。

振り向くと、金色の髪が揺れる。


「クラリス様!」


次の瞬間、彼女はシンシアに勢いよく抱きついた。


「本当に久しぶりね! 会いたかったのよ!」


笑顔でまっすぐな言葉に、胸の奥があたたかくなった。


「私も、お会いしたかったです。」


「もう、敬語はなしよ!」


クラリスはぷくーっと頬を膨らませる。


「クラリス、礼儀は弁えろ。せめて、人前ではな。」


低く落ち着いた声が響く。


この国の第二王子、レオンハルト・ヴァルセリオン。

かつては、シンシアの護衛騎士だった。


「久しぶりだな。」


「お久しぶりです、レオンハルト殿下。」


「ここは学園だ。俺のことはレオンでいい。お前には許す。」


蒼灰色の瞳が柔らかい。


「さあ、挨拶は終わりにして講堂に行きましょう! 入学式に遅れてしまうわ!」


クラリスはシンシアの腕を取り、歩き出す。

その後ろをレオンハルトとリリアナが続く。


桜の花びらが、四人を包む。


始まりの鐘の音が鳴った。


物語が、静かに動き出す。

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