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プロローグ(月に沈むふたり)
私は、何度も愛して、何度も失ってきた。
一度目の人生。
魔力を持たないというだけで、
私は神に見捨てられた娘と決めつけられた。
人々は石を投げつけ、触れることを拒んだ。
それでも、アルトだけは違った。
権力者の息子でありながら、私に優しくしてくれた。
だから、許されなかった。
引き裂かれる未来しか残されていないと知った夜、
私たちは冷たい湖に沈んだ。
権力も神もいない、
二人だけの世界があると信じて。
――けれど、終わりではなかった。
輪廻は無情にも回り続ける。
何度も命は砕け、次の世へと送られる。
幾重にも重なった輪廻の中で、
私はいつもアルトだけを探している。
すぐそこにいるのに、触れられない。
声も、ぬくもりも、互いに届かない。
一瞬だけ視線が交わり、消えていく。
「アルトを、奪わないで!」
そのたびに、心が引き裂かれる。
生まれ変わるたび、彼は私を探す。
最初は、幸せだった。
アルトに会えることが、
愛せることが。
けれど――
この愛は、本当に運命なのだろうか。




