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勇者戦争  作者: sizu.
第三章 南の勇者編
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短期間強化訓練及びダンジョン攻略-③

パチパチと焚き火の音が結界内に響く。おそらく神層にて時間も分からないまま眠気が襲い始めてくる。

「アズマはさ、なんで冒険者になろうと思ったの?」

ミナミは俺に聞く。

「なんて言ったらいいか分かんないけど、強制?みたいな感じだよ。」俺は焚き火をいじりながら笑って答えた。

「そうなんだ…。なんか僕達似てるかもね。」ミナミは笑顔で言った。

「ミナミもそんな感じなの?」

「うん。なんか、いい加護貰っちゃったみたいでさ。ずっと特訓させられちゃって。」

「わかる!急になれって言われて加護何か調べたらないって言われて!マジで終わった…と思ったね!」俺はあの時の光景を思い出しつつ笑った。

「そうそう!なんか自己中なんだよ。自分達で何とかしろって話だよね!」ミナミは指を指し頷く。

「上から目線でなんかバカにされてる感じもあるし!」俺は愚痴をそこそこデカい声で言う。

「ははははっ!マジでわかる!僕達のことなんだと思ってんの?って感じだよね!」ミナミは腹を抱えて笑う。

「楽しいな!こういう愚痴とか普段言えないし、言う相手もいない!マジで最高!」俺は本音を口にした。ここでも、あっちでも。本当のことを笑いながら言える奴なんて全然いなかった。俺の奥底に空いていた感覚。それを埋めてくれるような……。これを親友って言っいいのかもしれない。

どれだけ経ったか分からないが、その後も愚痴大会は続いていった。




愚痴大会をしたあと、俺等は眠りについた。色々とあったし疲れを少しでも無くすため。


   ピコンと何かを選択したような音がした。


その音はどこかで聞いたことがあるような気がした。

瞼をゆっくりと開くと、画面のようなものをタップしているミナミの姿があった。


   これは………


        "アビリティ……!!"


本当にミナミは"勇者"なのか……?


「ミナミ……?それ、は……?」俺はミナミに向け指を指した。

「起こしちゃった?ごめんね。これは僕の加護で……」

「お前……勇者なのか…?」俺はミナミの言葉を遮り聞いた。

「うん、そうだよ。」この瞬、時が止まった。ミナミに向けていた指を震えながら下げていく。

とにかく震えが止まらなかった。

「アズマ、アビリティのこと知ってるんだ。じゃあ、君は国の上層部あるいは……勇者、なの?」俺は唖然としていた。最後の言葉はあまり、聞こえなかった。きっと、認めたくなかった。初めて心の底から親友と言える人物が敵だなんて……どこかでそうじゃないかと思っていたとしても………。

「イーストがウエストに勝利。東の勇者は死んだはずなのにおかしいと思ってたんだよね。それにその反応。アズマ……君は勇者なんだね……。」しばらく喋れずにいるとミナミは口を開いた。

「ミナミっ……俺は……」

「もういいよ。僕も言わずに騙していた……。ごめん。それにもう用は済んだ。」ミナミは立ち上がる。

「用…?」

「僕の用事はここの調査。ここが神層なんでしょ?」

「?!」

「君、分かりやすいね。知っているならすぐに教えて欲しかったよ。はい、これ。」ミナミは球を渡す。

「君には一応世話になったし、あげるよ。これで神層から抜けれる。」

「ミナミ……。」俺は地面に膝を付きミナミを見上げる。

「僕はナミ・アイビー。悪いが君と馴れ合う気はもう、ない。次は戦場で会おうじゃないか、東の勇者。」ミナミは球を割り消えていく。

「ミナミ!俺はっ………」ミナミが消える一瞬、あいつは失望と悲しみを孕んだような目をしていた。

「クソぉ………なんで……なんでだよ…………マジで……。」俺は涙を浮かべながら地を殴った。何度も、何度も。その拳が血に塗られていることも気付かずに…………



  一日目   終了……………



序の口かもしれません。まだ東には悲しい気持ちになってもらいますので。

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