表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/27

ぼうそう、していた

25 気兼ね



ヘラを追って寮に戻った


ガチャガチャ…


鍵はかかっている


「…なっ、うん?」


エリンシアさんは仮に中にいても鍵はかける

ヘラにそんな癖はないはず

離れは人通りが皆無だし

そもそも鍵は個数の関係で持ってない



「…あら?」


隣の部屋からラッセルが出てきた


「あ、あれ?おかしい、ついに幻覚が見え始めましたか…?」


「えっと、ただいま?」


「あ、おかえりなさい、チェリーさん…えっと、本物ですか?」


「本物だ」


「うーんと、ドアをガチャガチャするのはマナーが…ではなく、ネビュラは…どうなりました?」


「ネビュラとは…なんだ?支配系の魔法からは解放されている

…関係はよくわか」


「あぁ、落としたんですね、はい」


「いや…うーん」

あながち間違いではない


「いや、それよりヘラは!?」



「ヘラさんですか?…今日は外でお小遣い稼ぎをすると言ってましたが…」


「帰ってきてない、のか?」


「まぁ、そうですね」



俺はすぐに走り出す



「えっ、あのー、えっ?えっ?」


困惑しているラッセルの声が遠くなっていく



寮の外に出る


夜の時間となりゾンビやメダマがそこら中にいて、またそれらを狩る学生がチラホラと集団で見かける



横にもゾンビが襲いに来たが背中のタイガースタッフの柄の部分で仰け反らせて走り出す



格闘部、校舎と走り回ったがどちらも鍵がかかっていた


格闘部は合鍵で開けたが中には誰もいなかった



「…部屋の鍵はエリンシアさんしか合鍵は持ってない」



けれど、そもそも俺は最後に鍵をかけたか?


かけた記憶が無い、そもそも外に出た記憶が無い

というのもネビュラの目の前で意識が戻ったからだ



鍵がかかっていたなら鍵を持っていないヘラは中に入れないと思った


しかし、中から鍵をかけていた


それなら筋は通る



「つぅ…」



寮に戻ってきた




離れへの廊下をぬけて

部屋のある二階へと駆け上がる


二階の部屋の前には人影があった



「…ヘラ」


ヘラの後ろ姿

その奥にはさらに人影が見える



「あら、あなた」

「…さっきぶり」


ラッセルとネビュラも一緒にいる



「あ、あぁ」


ヘラの背中からひょこひょこと二人が体をかたむけて目が合う


どうしてかヘラの背中を見ていると悪寒がすごい


えもいえぬ恐怖…



変な汗が止まらない


「ヘラ…」


「チェリー…今日は三人でパジャマパーティー?ってやつなの、隣の部屋だけど…無粋な真似はしないでね」



「えっと…」

謝らないといけない気がした

ヘラは…怒っている、気がする



「エリンシアさん」


「あ、はーい」

部屋からスっと出てきたエリンシアさんがパッと俺を見てスススッと近づいてきた


「ほらほらー今日は連れ回されてもいますもんね、ご飯は食べますか?明日に回しますか?」



グイグイと背中を押されて部屋に押し込められる


「あ、ちょ」


ヘラと話したいことが


「チェリーさんは女の子の日って知ってます?機械世界の常識でなく、こちらの世界での」


バタン


扉は閉ざされてしまった



「…生理現象のアレですか?」

「いえ、魔力現象なのでそちらの世界には無いです、ちなみに男の子にも起きます」



エリンシアさんが言うには魔力の暴走を長い時間続けていると回路が狂う…


というもので少年少女の時の制御ができない時期に起こりやすいものらしい


魔力は女性の方が多いから通称女の子の日…というらしい


……さいですか



「…ヘラは魔力の暴走をしていたんですか?」


「はい、ここしばらく…ラッセルさんと戦う前からですね」


「…魔力の暴走は普通どんなもんなんですか?」


「戦闘中では有り得ますが逆にその程度です、戦闘中カッとなる時があるじゃないですか、それに似てますね」


アドレナリンに似た感じ…だとしたらラッセルと戦っていた時からというのは相当に長い



仮に常に戦闘中みたいな状態と置き換えたら…体も精神ももたないだろう



「へ、ヘラは大丈夫なのか?」


「ダメです」


「え?」


「特にあなたに斬られたと言っていた今朝は学校に行く直前に泣き崩れました……それを一瞬で立ち直れたのは、暴走に拍車がかかってます…立ち直れてないですね、取り繕った、でしょうか」



「そう…だったのか」



「…この学園には私がお世話になっていた寮があります


…ときあめ寮と言うのですが」


「…はぁ」



「そこにみなさんでお出かけしませんか?」




隣の部屋にエリンシアさんが手紙を入れてくれたらしい



それを見たネビュラとラッセルが生徒会の役職を使って二限目の必修を免除としてくれるように手を回してくれるらしい


…職権乱用というやつでは



その寮はエリンシアさんの知り合い達が使っていた寮で今はその人たちがふらりと戻ってこれる場所らしく魔法陣で隠されているらしい



「いいんですか…?」


「…あなたのヘラさんに学園生活を過ごして欲しいという気兼ねはかいますが、それ故に見れてないものが致命的な問題になってます


…ヘラさんも不器用ですが、少し可哀想です


あなたのためではなく、私個人のヘラさんのため、というものです」


エリンシアさんは呆れた様子で最後まで言っていた


一つの案としてここで外で一人魔物にボロボロにされたヘラと出会う、悲しみにくれるけど…なんてルートもありましたが

とにかくつまらんので打ち切りです


一応次回最終ですがプロットとか的には続きはあったんです

無理やりに終わりへ向かいます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ