第六話 未知との激突 1
辺りに飛び散る半透明の欠片。それが彼と彼女たちを隔離していた、檻の名残。
荒い獣の眼光がナギトを睨む。
巨体の拳が地面を割ったのは、次の瞬間だった。
「っと……!」
土煙りに揉まれながら、ナギトはドラゴンの全体を確認できる位置へ。
赤い甲殻で全身を覆った固体だった。姿は人間に近い。二本足で立ち、こちらの矮躯を見下ろしている。
背には一対の巨大な翼が。もっとも今は折り畳まれており、使うような気配はない。
お互いの体格差を考えれば、間合いなど一瞬で詰められるのだから。
「っ!」
その通りになった。
地面を陥没させなねない踏み込みで、ドラゴンは彼我の間合いを一気に削る。愚直とも言えるほど、真っ直ぐに。
雷帝真槍は、投げてこそ本領を発揮する槍だ。
馬鹿正直に飛び込んでくれるなら、いともたやすく命中する――!
「ふ……!」
投擲され、真正面から迎え撃つ雷帝真槍。
だが。
以外にもドラゴンは俊敏な動きを見せた。翼を使って宙で一回転し、真槍の一撃を素通りさせる。
着地と同時に振り下ろされる巨腕。
魔術によって強化された身体能力は、ナギトに回避を約束した。地面に叩き込まれた拳とすれ違う形で、その腕を足場にする。
雷帝真槍は手の中へ戻った後だ。攻撃直後の隙なら、避けることは出来まい。
より確実な命中を期待して、胴体へと二投目を叩き込む。
「いけ――!」




