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叶えたい夢  作者: 野良蛇
2/2

パピーは今日、地獄へも出勤するらしい。

白井織姫と白井七夕は姉妹だ。

その間に俺が入ったのは2年前。

親父といまの母親が再婚したためだ。


最初は上手くいかないことも多くあったが、今では問題なく生活できている。


「遅いですよ〜」

「ごめんめんご」

「じゃあ、蓬もきたし、いただきまーす」


織姫姉さんがそう言って朝食を食べ始める。

今日の献立はご飯に味噌汁、魚、漬け物、その他もろもろ……。


「うまい!」

「織姫ちゃん、女の子なんだから食べながら叫ばないの」

「そうですよ、姉さん」


叫ぶほど美味しかったのか、織姫姉さんが叫ぶ。

それを百合さんと七夕が注意する。


「はーい」

「食べながら返事しない」

「ほーい」

「はぁ……」


が、結局はダメだったようだ。


俺はリモコンをとってテレビをつける。


『今日のニュースです。

先日から起こっていた全裸の男に女性が襲われる事件の犯人が捕まりました。

犯人は「違うんだ!! 私はただ、少子化をくい止めたかったんだ!!」と意味不明なことを言っており……』


「最低」


待て、妹よ。何故俺を見て言うんだ。

確かにつけたのは俺だが朝からこんな愉快なニュースが流れてるとは思わないだろ。てか、ニュースキャスターの人少し頰が赤くなっていたな。男だけど。


「こんなかんじの人を肉食系男子っていうのかな?」

「いや、これは下半身に忠実系男子だ」


娘に何言ってんだ親父。ほら、母さんも睨んでるぞ。

いや、あれは混ざるタイミングを見計らってるんだな。どんだけ下ネタ好きなんだ。

先生。俺、家族と普通の会話がしたいです。

えっ? もう試合は終わってる?

そんなバナナ!


「つまんないですよ」

「妹よ。心を読まないでくれるかね」

「顔に出ているんですよ。うわキモ」

「ちょっと整形してくる」

「無理ですよ。キモすぎて手術すら行えないですから」

「先生、俺の人生も試合終了でした」

「仕方ないので、私が兄さんの側にいてあげなくもないですよ」

「罵倒されなかったら、その言葉で俺は七夕に惚れてたよ」


最近、ツンデレ気味な七夕ちゃん。

可愛いけど、厳しい。俺、ご褒美です! とか叫べる人種じゃないし。


「父さんはやっぱり、オレンジ派だな」

「え〜! リンゴ派だよ」

「ママはスパークリングレモン派よ」


なんの話だよ。

なんとなくだけど、アレか。水か。

下ネタから水の話になるのか。

どうなってんだよ。


『まもなく、7時半です。社畜どもは出勤の時間です。今日も馬車馬のように働きましょう』


ちょっとキツめのお姉さんがテレビから呼びかけてくる。

そろそろ行かないと遅刻になってしまうな。


「親父(社畜)、そろそろ時間だぞ」

「パピーは今日も種馬のように腰を振ってきますよ〜」

「最低」

「パパ、それは笑えない」

「あなた、ちょっといいかしら」


どうやら、親父は地獄へも出勤しなければいけないらしい。


俺は食器を片付けて歯を磨き、織姫姉さんと七夕と共に家を出た。

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