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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第一章 魔王はじめました
3/56

7月12日

AM1:00

食事を済ませ、早速ログインする。

熊にリベンジするため、今日も森へ向けて走っていく。

さっそく発見したので、昨日と同じように後ろから近寄り、抜刀からの連携を繰り出す。

やはり途中で気付かれてしまい、振り向きざまにお見舞いする。


ザシュ!ズバッ!


今度は折れずに、胸から肩にかけて切り裂くことに成功した。

ダメージも30%くらい与えたようで、かなりの強化がうかがえる。

熊は体勢を立て直し、威嚇しながらこちらを睨む。

次は新しい魔法だ。


「【バインド】」


熊の影から無数の黒い触手のようなものが出て、拘束していく。

抵抗むなしく、完全に身動きの取れない相手を刀で切り裂いていく。

効果は10秒ほど続くようだが、その前に倒すことに成功した。


うん!かなり便利だ。


その後、スキル上げも兼ねて1時間ほど狩りをして町へ戻った。


そろそろダンジョンにも入ってみたいところだ。

ダンジョンには2種類ある。

フィールドに設置されているものと、専用ポータルから行ける、ライフスタイルの≪ダンジョンマスター≫が作成したものだ。

3日目ともなると稼働しているダンジョンもあるようで、すでに数十種類のラインナップが揃っている。


【物理地獄】

 物理攻撃の深淵をお見せいたします。


【罠による罠のつくる罠のためのダンジョン】

 ≪罠探知≫≪罠解除≫のレベリングに最適!

 さぁ、未来の盗賊王は君だ!!


【モンスターハウス】

 モンスターハウスで無双したい方、お待たせしました!


【修練の館】

 各階ボスが指揮する集団戦となります。

 腕に自信のある方をお待ちしています。


リストを眺めながらダンジョンを探していると——


【鍛冶屋さんいらっしゃい】

 現在、初級〜中級あたりまでの鉱石系を掘ることができます。

 一応モンスターも出ますので、お気をつけください。


というものを発見したので、早速ポータルからダンジョンへ飛ぶ。


坑道のような一本道の途中に、採取できる鉱石の一覧が書かれた看板と、採掘ポイントが枝のように広がっている。

奥へ行くほど良い鉱石が掘れるようなので、現在のスキルで掘れる一番奥の場所で夢中になって掘っていると——


ガシャンッ……ゴゴゴ……


後ろの方で何か音がしたので振り返ると、ゴーレムが立っていた。


モンスターまで鉱石系とは、徹底しているなぁ……と感心していると、

突然、ゴーレムの拳が迫ってきた。


避ける間もなく殴られる。


吹っ飛びながらHPを見ると——


そのまま0%になってしまった。


≪10秒後にホームポイントに移動します≫


というアナウンスが目の前に表示される。


強制的に戻されたホームポイントで、空を見上げる。

ゲームの中とはいえ、"死ぬ"というのは精神的にくるな……。

こういうところもVRだからこそ、妙に生々しい。


デスペナルティとして、

**所持金の10%**と、30分間のステータス20%ダウンを受けてしまった。


所持金が少なかったのが幸いして、大した被害にはならなかったが……。

30分ほど架空の空を見上げながら、今回の反省をする。


【今回の失敗点】


① 採掘に夢中になりすぎて、モンスターの存在を忘れていたこと。

② 最大の失敗:防具を忘れていたこと。


武器は作っていたが、防具に関しては初期装備のままだった。

布の服と靴……合わせても防御力3しかない。

今まであまりダメージを受けていなかったため、すっかり忘れていた。


よし、早速作ろう。


加工スペースへ向かい、

熊の皮と鉱石を使って防具を作成することにした。


まずはオーソドックスな構成にしよう。

ブレストプレートと要所を守る部分を鉄製にし、それ以外を皮で補う。


インゴットを叩いて形を作り、革をなめして調整する。

≪初級革加工≫のスキルレベルがガンガン上がっていくので、どうやらまだ上位の素材らしい。


調整を繰り返し、ようやく鎧が完成した。


【ベアレザーアーマーセット】

 DEF+45 / MDEF+15

 強靭なグレーベアの皮と要所を守る金属プレートによる鎧。

 品質4


初めてにしてはいい出来だろう……多分。


余った皮でマントも作成することにした。

肩で固定できるようにし、固定部分に熊の爪をあしらう。

さらに首元にはオオカミの毛皮を使い、ファーのようにしてみた。


【ベアーマント】

 DEF+5

 グレーベアの皮を使ったマント。

 品質5


次に、対ゴーレム用の武器を作る。


刀であれを切れるとは思えない。

巨大なハンマーで殴った方が倒せそうだ。


素材を合金にし、最大重量のハンマーを作成。


試行錯誤の末、納得のいく強度の合金を作り、

50kgのインゴットを用意した。


【ヘビーメタルピックハンマー】

 ATK+84 / SPD−15

 ヘビーメタル合金で造られた巨大なハンマー。

 ≪槌≫スキル対応。

 品質6


品質6でこの威力か……。

重さのせいでSPDが下がるのは仕方ないが、許容範囲内だな。


早速、右肩に担ぎ上げ、さっきのダンジョンへ向かう。


ゴーレムを見つけ、振りかぶる——


「【フルスイング】」


——ゴーレムは数メートル吹っ飛び、光になって消滅した。


【ヨウ】

装備スキル

 ≪魔王2≫

 ≪初級鍛冶28≫

 ≪初級採掘33≫

 ≪幸運16≫

控えスキル

 ≪初級革加工15≫

読んでいただいてありがとうございました

誤字脱字・感想などありましたらよろしくお願いします

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