表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第一章 魔王はじめました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/56

7月11日

AM2:00

今日は昨日より遅くなってしまった。

帰りにゲームショップで昔流行った剣劇系の3Dアクションゲームを買ってプレイしていたからだ。

昨日作った刀はアーツが使えないということだったし、自分自身刀を振り回したことなんてない。

仕事中に解決策を考えていたら思いついた。


アクションゲームの動きを参考にすればいいんじゃないか!


仕事しろよっていうツッコミは受け付けませんのであしからず。

ということで、トレーニングモードで散々気に入ったキャラの動きをいろんな角度から観察していたら、こんな時間になってしまった。


動きの研究も取りあえず済んだし、ログインして実際にやってみよう。

昨日と同じように平原は素通りして森へやってきた。

素振りをしながら刀を慣らしていると、手ごろなグレーウルフを発見したので、上段に刀を構えて振り下ろす。


ザッシュ!


ダメージは20%くらいか。

そのあとは突いたり横なぎに切り払ったりを何匹かに試してみた。

一応倒せたけど、魔法のほうが効率いいな。


必殺技の真似事もしてみたが、刀の重さに振り回されてうまくいかない。

練習が必要だ!


そして使っていて気が付いたが、鞘がない。

鞘がないと居合的なことができないじゃないですか。

木工は取ってないし、鍛冶で作るしかないか?

作れるのか?

まぁいい、物は試しだ。


鍛冶スペースへ急いで戻り、昨日使わなかった銅のインゴットを炉に突っ込んでいく。

2本の板を造り、刀が収まるような曲線をイメージしながら叩いていく。

なんとか左右対称なものが完成したので、その2つを合わせて溶接してみた。


刀を収めて出し入れしてみる。

うん、大丈夫だ。


しかし銅がむき出しってのも目立つなぁ。

何か解決策がないか。

イベントリをあさっていると、さっき狩ったグレーウルフの皮があったので、これを巻き付けることを思いついた。

早速加工できるところに行き、スキル≪初級皮加工≫を習得。


どうやらスキルレベルが10毎にスキルポイントが貰えるらしい。

≪初級鍛冶≫と≪初級採掘≫が上がってたので2ポイントあった。

≪初級皮加工≫で1ポイント使ってしまった。


他の人のやっているのを見ながら真似てみる。

持ち手になる上側20cmの毛はなくしてなめしていく。

これがなかなかうまくいかない。

どうやらグレーウルフの皮はスキルレベルに対して上位のものだったようで、スキルレベルがすぐに5を超えた。


なんとか最後の1枚で成功したので、鞘に巻き付けてみる。


_____________________________________

グレーウルフの鞘

 DEF+1

 銅でできた鞘の周りにグレーウルフの皮を巻き付けたもの。

 毛の部分が残っているので尻尾のようにも見える。

品質5

_____________________________________


鞘を腰に固定し、刀を収めて森へ走る。

グレーウルフ発見!


走りながら前傾姿勢のまま左手で腰の鞘を持ち、右手で刀を振り抜く。


抜けなかった。


その勢いでつまずいて体当たりをしてしまった。

一緒に3回転ほどして木に激突!


失敗失敗!腰の鞘から抜くのって難しいんだね。


自身のHPが20%くらい減っていて、グレーウルフは打ち所が悪かったのか瀕死だったので、鞘のまま殴って倒した。

その場で何度か鞘からの抜刀と納刀の練習を繰り返す。


納刀は、時代劇なんかである決着がついた後に、一回刀を右側に振って血を振り払い、鞘に納めてカチンと音が鳴る、そんなイメージで練習!


何とか形になってきたので、右上に抜刀してからの切り下しを練習!


森の中でそんなことをやっていたため、ほかのプレイヤーからは変な目で見られていたかもしれない。


30分くらいやっていると動きが体になじんできたので、実戦で試してみる。


先ほどと同じように走り込みながらの抜刀し、切り下す!


今度はうまくいった。


お!HPが70%近く減ってるな。

連携ボーナスでもあるのか?


とどめを刺して別の相手を探す。

歩き回っていると大きな影を発見!


熊さん登場!


調べたところ、初心者殺しで有名らしい。

ノンアクティブだから攻撃しなければ襲われないらしいが、そろそろゲームプレイにも慣れてきたので行けるだろう!

一気に駆け出し抜刀からの切り下しを仕掛ける

熊は気が付いたのか振り返ってこっちを睨んだ。

怖いっす。でも!

ザシュッ! スカ!

…スカ?

え?

よく見ると熊の左前脚に刀の刃の部分が折れて少しめり込んだくらいで止まってる

折れた刀と腕を交互に見ていると熊が立ち上がり3m位の巨体で両手をあげて威嚇してきた。

やっべぇ死んだかこれは

「なんか失礼しました」

ペコ!

そういって背中を向けて逃げ出す。

追ってくる熊!

まぁそうだよね

いやいや、待て逃げてどうする魔王だぞ!

何か手はないか?

逃げながらキョロキョロしていると上りやすそうな木を発見!

方向転換して木に飛びつき必死に登る

熊も追って登ってくる

「ダーク」

木の上から熊にめがけて魔法を放つ

10%くらいダメージを与えて熊を怯ませることに成功

それでも登ってくる熊

クールタイムで使えない魔法

1秒が永遠のような長さに感じる。

熊が目の前に迫ったとき

「ダーク」

何とか間に合い木の下へ落とすことに成功した

落下ダメージも入ったのか15%くらい削れた。

登ってくる熊を魔法で突き落すこと7回何とか倒すことに成功した

熊の恐怖と武器が壊れたことで精神的にかなりのダメージを受けたので今日の戦闘はやめとこう

新しい刀を打つため採掘ポイントに向かう

十分集まったので鍛冶スペースへいきインゴットを造っていく

事前にやったゲームのおかげか昨日より刀のイメージが明確になった

長さなどは鞘が使えなくなるのでそのままに造っていく

叩く力や速度やリズムを変えながら刀を打ち上げていく

10本打ち上げたところで

≪魔王≫スキルが2に上がった

え?始める前はあと50%くらい必要だったのに、戦闘するより生産してたほうが経験値効率いいの?

ステータスを確認すると大体1段階ほど強化されていた

新しい魔法も使えるようになったし後で試してみよう。

上がったステータスで11本目を先ほどまでの経験を活かして打ち上げる


_____________________________________

ヨウ刀Ver2

ATK+40

鉄製の刀

*対応スキルが無いため≪アーツ≫の使用は出来ません

品質10

_____________________________________


品質10キター!


ATKも3倍近いし、今度こそ熊を切り伏せられるか?


でもこの素材と作り方でできる最大値が出てしまった。


落ち込んでもしょうがない。

気を取り直して、先ほどの10本をインゴットに戻して同じように打ち直していく。


品質は7~9とばらついたがいいスキル上げになった

しかし品質10はそのあと一回も出来なかった。

10本をイベントリにしまい鞘に11本目を納める。


新しい武器もできたし、そろそろログアウトするか。


明日は熊にリベンジだ!

読んでいただいてありがとうございました

そろそろ≪魔王≫で出来ることに触れていけたらと思います

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ