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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第二章 領地を得よう!

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14/56

9月2日

二章突入です。

1:00

ログインしました。

今日は、冒険者ギルドというものに来ています。

今更ですが、ファンタジーライフオンラインにも冒険者ギルドがあり、プレイヤーたちの収入源の一つとなっている。

クエストを受けて達成することで報酬をもらい、一定数達成すると称号や冒険者ランクが上がり、より困難で報酬のいいクエストを受けられるようになったりする。

受付に行くと登録する必要があるということなので、必要書類に記入して受付へ提出すると、返ってきた返事は、

「≪魔王≫の方の登録は認められておりませんので、申し訳ございませんが登録することは出来ません」

と、まさかの登録拒否だった。

ここで言い争ってもしょうがないので、そのまま回れ右して出口に向かう。

途中、何人かイベントで戦ったことがある人とすれ違うが、特に絡まれることなくギルドを出て少し途方に暮れる。だが、気を取り直して≪魔王≫のライフスタイルクエストを受けるため、エルナさんのところへと向かう。


約一ヶ月ぶりにここへやってきたが、特に変わりもないようで、相変わらずの人気ひとけのなさだった。

挨拶を済ませて≪魔王≫が10になったことを伝えると、領地の増やし方とそれに関するクエストを受けることとなった。

クエストの内容は、まずスキルレベルが上がった時に手に入れた【魔王の楔】の2個目を使用し、それを使って新たな領地を手に入れることでクリアとなるようだ。

新しい領地を得るためには、そこのフィールドの主をソロで倒して服従させる必要があるのだが、基本的にフィールドボスは、複数でパーティーやレイドと呼ばれるものを組んで挑む強敵だ。

クエストを受けると【領地の分布地図】というアイテムを渡される。

地図を広げると世界地図のようなものが描かれていた。右上に現在の魔王の数と領地の色の一覧が表示されていて、世界地図にはその色に塗られている場所があった。

自分の色を確認して、その地域の地図を拡大表示してみる。

すると、領地の周りには五つのフィールドが隣接していることが分かった。

フィールドの大きさは、そこに住む主の強さに比例して大きくなっているらしく、まずは小さいフィールドを領地にすることを勧められた。

また、新たに獲得すれば、現在の領地と同じように建物を建てたりすることや、デスペナルティの設定、プレイヤーの失ったドロップ品及び経験値の取得など、様々にいじれたりするらしい。


まずは、自身の領地の周りにあるフィールドを取得して領地を広げていくことに決めて、各フィールドの主を確認することにしよう。

クリスタルを使い領地に戻り、一番小さな隣接するフィールドに行く。

小さいと言ってもそこそこ広い沼地で構成されていて、出現するモンスターは毒持ちのものが多かったりして厄介なフィールドだ。

とりあえず当てもなく、沼地のため足は取られるし、底なし沼にハマりかけたりと四苦八苦しながら進み、探すこと2時間。ドロップ品以外の収穫も特になく、3分の1くらいを踏破した。

あぁ、移動手段が欲しい。

休憩に良さそうな小島のようなものを見かけたので、そこに上がって一休みすることにした。

一面苔に覆われたその台地は、意外としっかりした岩のような硬さがありゴツゴツしていた。

10分くらいMPの回復などに努めて、食堂でもらってきたサンドイッチを頬張りながら休憩していると、突然小島が揺れ始めた。

慌てて広げていたものをしまい、小島から飛び降りて振り返ると、徐々に下から生えるように大きくなっていく。


10m位の高さで止まったかと思うと、頭や足などが生えてきた。

小島だと思っていたものは、亀の甲羅の上だったようだ。

今まで沼地で戦ったモンスターにはここまで巨大なモンスターは居なかったので、もしかしたらここの主かもしれない。

刀を構えて備えていると、あちらも敵と認識したようで、大きな咆哮をしながらこちらへ顔を向けて睨んでくる。

まずは動きを抑えるために右前足を切り落としにかかる。いつものように一気に踏み込み、抜刀からの一撃を加えるが、振り切ることなく刃が止まってしまう。

かすり傷程度しかダメージを与えられずにいると、今度は亀の伸ばした頭がこちらへと迫ってくる。間一髪で避けて距離を取り、刀を納める。

流石に動きは遅いようでゆっくりこちらへ迫ってくるが、息を整えて足を切断するイメージを膨らませ、【一閃】の発動に向けて集中していく。

グッと踏み込み駆け出した瞬間、亀が口を開き何かを吐き出した。

とっさに避けるが、足に喰らってしまい一気にHPを削られる。それでも構わず間合いを詰めて右足を切り付けると、先ほどよりは深く切り付けることが出来たが、刀が折れてしまう。

指輪に登録していた予備の刀を呼び出して構え直すが、そこで体の異変に気が付く。状態異常を示すアイコンの「毒」と「麻痺」が視界の右隅に点滅している。

どうやらさっき喰らったものには毒があったようで、さらに麻痺まで発生している。

麻痺は完全に動けなくなるものではないが、行動と感覚の阻害が発生する厄介な状態異常だ。

気怠い体を奮い立たせてアイテムボックスから解毒薬とHPポーションを取り出し、一気に煽る。

残念ながら麻痺回復薬は準備していなかったので、耐えるしかない。

なんとか耐えながらも切り付けるが、【一閃】以外では効果的な傷をつけることが出来ないでいた。

もう一度発動するには麻痺が邪魔をしてファンブルしてしまう可能性が高いため、武器をハンマーに持ち替えて、まだ刃が刺さったままの右足に攻撃を集中していく。

何度かの攻防で刃が足の3分の1くらいめり込んだところで相手のHPを確認したが、まだ10%も減っていない。

甲羅ではなくお腹の部分を叩こうと潜り込もうとすると、足を引っ込めてボディプレスを仕掛けてきたりと、危うく潰されそうになりながら戦うこと2時間。

やっとHPが半分を切るが、突然亀は動きを止めて空気を震わせるような大きな咆哮をすると、地面が一気に液状化していき、泥に膝くらいまで埋まってしまう。

泥に足を取られて素早く動けなくなったため、毒液を魔法で相殺しながら攻撃を加えていく。

MPも残り少なくなったので、一縷の望みをかけて叫ぶ。

「ラッキーーーストライクーーー!!!」

ボゥンという効果音とともに、亀の甲羅の上に剣が現れる。

自由落下でドンドン加速しながら落ちてくる剣に大きく期待しながら、防御に徹する。

ヒュゥゥゥゥゥ、サク!!

剣は甲羅に弾かれずに根元まで突き刺さり、ゆっくりと消えていくが、相手のHPはほとんど減らなかった。

えーと、どうやら甲羅の部分を貫いただけで、肉体へのダメージはほぼ無かったのだろうか?

そんな考察をしながら呆けているところへ毒液が飛んできて、あっさり死に戻りをしました。


魔王の間で椅子に座りながら反省会だ。

まず初見で倒せるとは思っていなかったのでよしとするが、足を切り落とすどころか刀が折れてしまったことが問題だ。

ちなみに折れたのは、初めて作った品質10の刀だ。

おのれ亀め、最高傑作の仇はいつか取るぞ。

材質はただの鉄だったが、沼地ということもあって水属性のものは使っていなかった。

切れ味には自信があったのだが、そろそろ次の武器を作らないと新しい領地獲得は難しいかもしれない。

今日はデスペナルティもあるのでここら辺でログアウトして、明日は新しい刀を作ろうと思う。

____________________________________

ヨウ

装備スキル

≪魔王10≫≪属性付加33≫≪孤軍奮闘37≫≪武運5≫

控えスキル

≪中級採掘30≫≪中級鍛冶22≫≪初級皮加工42≫≪福運2≫

お読みいただきありがとうございます

誤字脱字・感想などありましたらよろしくお願いします。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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