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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第二章 領地を得よう!

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14/56

9月2日

二章突入です。

1:00

ログインしました。


今日は、冒険者ギルドというものに来ています。


今更だが、このゲームには冒険者ギルドと呼ばれる組織があり、プレイヤーたちの収入源の一つとなっている。


クエストを受けて達成することで報酬をもらい、一定数達成すると称号や冒険者ランクが上がり、より困難で報酬のいいクエストを受けられるようになったりする。


受付に行くと、登録する必要があるとのことなので、必要書類に記入して提出する。


しかし、返ってきた返事は――


「≪魔王≫の方の登録は認められておりませんので、申し訳ございませんがお引き取りください」


まさかの登録拒否だった。


ここで言い争っても仕方がないので、そのまま回れ右して出口に向かう。


途中、イベントで戦ったことのあるプレイヤーと何人かすれ違うが、特に絡まれることなくギルドを出る。


少し途方に暮れたが、気を取り直して**≪魔王≫のライフスタイルクエスト**を受けるため、エルナさんのところへと向かう。


久々にここへやってきたが、特に変わりもないようで、相変わらずの人気のなさだった。


挨拶を済ませ、≪魔王≫のレベルが10になったことを伝えると、領地の増やし方と、それに関するクエストを受けることとなった。


クエストの内容は、まずスキルレベルが上がったときに手に入れた**【魔王の楔】の2個目**を使い、新たな領地を手に入れること。


そのためには、そのフィールドの主をソロで倒し、服従させる必要がある。


基本的にフィールドボスは複数のパーティーでレイドと呼ばれる戦闘を組んで挑むため、レイドボスと呼ばれるほどの強敵だ。


クエストを受けると、**【領地の分布地図】**というアイテムを渡された。


広げると、世界地図のようなものが表示される。


右上には現在の魔王の数と、それぞれの領地の色の一覧が示されていた。


地図を拡大すると、自分の領地の周りには五つのフィールドが隣接していることが分かる。


フィールドの大きさは、そこに住む主の強さに比例して大きくなっているらしく、まずは小さいフィールドを領地にすることを勧められた。


また、新たに獲得すれば現在の領地と同じように建物を建てたり、デスペナルティの設定、プレイヤーの失ったドロップ及び経験値の取得など、様々なことができるらしい。


まずは、自身の領地の周りにあるフィールドを取得して領地を広げていくことに決め、各フィールドの主を確認することにした。


クリスタルを使い領地に戻り、一番小さな隣接フィールドへと向かう。


小さいとはいえ、そこそこ広い沼地で構成されており、出現するモンスターは毒持ちのものが多く厄介なフィールドだ。


当てもなく彷徨いながら、沼地を進む。


しかし、足を取られたり、底なし沼にハマりかけたりと四苦八苦しながら探すこと2時間。


収穫といえばドロップ品くらいで、フィールドの3分の1ほどを踏破したところで休憩を取ることにした。


あぁ……移動手段が欲しい。


休憩によさそうな小島を見つけたので、そこに上がって一休みする。


一面苔に覆われたその大地は、意外としっかりした岩のような硬さがあり、ゴツゴツしていた。


10分ほどMP回復に努め、食堂でもらってきたサンドイッチをほおばる。


――その時、突然小島が揺れ始めた。


慌てて荷物をしまい、急いで小島から飛び降りる。


振り返ると、小島は徐々に下から生えるように大きくなっていき、やがて10mほどの高さで止まると、頭や足が生えてきた。


……どうやら小島だと思っていたものは、亀の甲羅の上だったようだ。


今までこのフィールドで戦ったモンスターには、ここまで強そうなものはいなかった。


もしかしたら、ここの主かもしれない。


刀を構えて備えると、亀も敵と認識したのか、大きく咆哮しながらこちらを睨んでくる。


まずは動きを封じるために右前足を切り落とすことを狙い、一気に踏み込み抜刀。


しかし、刃が振り切ることなく止まり、かすり傷程度しか与えられなかった。


その後の戦闘では、毒とマヒの状態異常を食らい、さらに刀が折れてしまうという事態に。


その場にあったハンマーに持ち替え、右足に攻撃を集中させるものの、亀のHPはほとんど減らない。


苦戦しながらも戦うこと2時間。


ようやくHPが半分を切ったその時、亀が大きく咆哮。


すると、沼地が液状化し、一気に泥に膝まで埋まってしまった。


亀はそのまま泳ぐように移動速度を上げ、毒液を吐き出しながら攻撃を仕掛けてくる。


こちらは泥に足を取られ、うまく動けない。


飛んでくる毒液を魔法で相殺しながら攻撃を加えるものの、MPも残り少なくなっていた。


そこで、一縷の望みをかけて叫ぶ。


「ラッキーーーストライクーーー!!!」


ボゥンという効果音と共に、亀の甲羅の上に剣が現れる。


自由落下で加速しながら突き刺さるが……


亀のHPはほとんど減っていなかった。


どうやら、甲羅を貫いただけで肉体へのダメージにはなっていなかったらしい。


その事実に呆けた瞬間、飛んできた毒液を食らい――


あっさり死に戻り。


魔王の間で椅子に座りながら反省会。


とりあえず、初見で倒せるとは思っていなかったので良しとするが、武器が折れたのは想定外だった。


最高傑作の刀を折ったあの亀……仇はいつか取るぞ。


明日は、新しい刀を作ることにしよう。


ヨウ

装備スキル

≪魔王10≫ ≪属性付加33≫ ≪孤軍奮闘37≫ ≪武運5≫


控えスキル

≪中級採掘30≫ ≪中級鍛冶22≫ ≪初級革加工42≫ ≪福運2≫

お読みいただきありがとうございます

誤字脱字・感想などありましたらよろしくお願いします。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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