大陸の支配者と最強の悪魔について2
俺が試練に気が付いたのは突然の出来事だったと思う。
というのも、それが夢なのかどうかが自信が無かったからだ。
無理もないと弁解しておく・・・全員で野営地で食事をしている最中に始まったのだから。
しかも開口一番のセリフが、
「フム、美味しそうではないか?私にも分けて欲しいね」
だったのだ。
実に悪魔らしくない・・・それでもやはりヤツは悪魔なのだ。
俺を含む全員が動くことすらままならない。
だが、口を開く事は不可能ではないようだ。
俺が試練が始まったのかを尋ねる事が出来たのだから。
試練は今夜始めるが、今顕現した理由は違うとのたまいやがった。
各々が武器をどうにか構える中、ヤツは悠々と振る舞っている。
そして俺たちの晩飯を食いながら、爆弾を落としてくれた。
「王が復活された」
それだけの発言だったが、俺たちへの衝撃は大きい。
王って何だ?サタナキアが王とかそんなのか?いや、復活したって位なんだしどこかに封印でもされてたのか?
目でヤツに説明を求めると、仕方ないとでも言うかのように肩を竦めポツポツと語り始めた。
曰く、ヤツの名はグーシオンと言い、ソロモン72柱の一角であり序列大11位の魔神なのだそうだ。
俺が悪魔とか思ってたのもバレているらしい。
聞けば、ダンタリオンもソロモン72柱に属するのだとか。
そんな会話の中で、サリアが王の正体に行き着いた。
その正体は魔神バアルと呼ばれる、『禁書・地獄の辞典』に記された存在らしい。
その力はこの大陸では比類なく絶大で、剣を軽く振るっただけで大陸中央にあるような巨大な亀裂を生み出すほど・・・。
そんなのに敵対されたら流石に勝ち目はないぞオイ・・・。
グーシオンも俺の懸念を理解したようで、バアルが俺に敵対することはあり得ないと言い切った。
なんでも、俺たちが打倒すべき敵とは反目しているらしい。
・・・俺たちが倒すべき存在ってなんだよ・・・?
それは教えてはくれないものの、だからこそ俺に試練を課して協力しているのだという。
でも復活したんだったら俺たちのチカラいらないよな~・・・と思っていると、それを読んでいるかのようにこう言った。
「王は復活したばかりで万全ではないのだ」
つまりは俺たちは完全復活の為に戦うことになると。
ていうか、俺たちの状況を正確に見抜いているっぽいがどうしてそんな事を知ってるんだ?
それには答えてはくれなかった。
ただ一つ、それを成し遂げないと帰れないし帰っても目的は果たせない・・・それだけを答えた。
グーシオンが帰ってから、俺たちは会議を重ねた。
ある程度の敵ならば、俺たちでも勝てるはずだ。
だが、未だにサタナキには勝てるとは思えない・・・そもそもアレが敵側なのかどうかすら分かっていない。
いや、サリアの故郷を滅ぼしたのだからそれは関係ないか・・・何より敵ではないとなってもサリアが納得しないだろうし、説得もできないと思う。
それに、最強の悪魔がサタナキアなのかも分からない。
グーシオンの口ぶりからして違うとは思うが。
その辺りは試練の前にグーシオンに尋ねるしかないとして、味方側となったら倒しても構わないのかも聞いてみなければならない。
最も、倒せるようになるのはまだまだ先の話だが。
それまでは、今までのように修行を続けるしかない。
一応の決定を見たところで、サヤマから要望があったのが禁書の捜索だ。
彼女の所持している能力に『禁書接続』があるが、俺たちは未だに禁書を発見出来ていない。
大体がどこにあるのかすら分かっていないのだ・・・神殿とかにあるのかとも思ったのだが。
とにかく禁書の捜索もしなければなるまい。
それと有用な装備の確保を並行することができそうだ。
迷宮探索の中でも、もしかしたら発見出来るかもしれないしな。
全く持って、難易度が高すぎるクエストだと思わざるを得ないぞ・・・。




