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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は9/28(土)投稿予定です。
あ、ダメだこれ。
止めていたものが決壊して一気に胃の中のものが逆流してくるのが分かったティティルリアは一目散にトイレへ駆け込み間一発で事なきを得る。
ティティルリアはトイレの中でうーうー呻きながらサディアがこのまま帰ってくれないかと淡い期待を持つ。
家に入って来てまで一体何をしに来たのか未だ理由がわからないティティルリアにとってサディアの行動は奇妙に見えた。
出るものは全て出て、気分が落ち着いたティティルリアは魔法で綺麗にしていった後、恐る恐るトイレの扉を開き外へ出る。
げ・・・まだいる。
柱に隠れチラリとそこから部屋を覗き込んでリビングを見れば彼はソファに座って待っていた。
しかもご丁寧に扉はきちんと修理されている。
・・・あれを修復魔法で直したわけ?!
ティティルリアでもあの状態のものを直すのに骨が折れると憂鬱に思っていたのに、それをたった短時間で元に戻したサディアの実力にティティルリアは驚かされた。
・・・いや、でも最初に壊したのは本人な訳だし、これぐらいは当然だよね。
「気分はどうだ?」
不意に声をかけられたティティルリアはビクッと肩を揺らしたが、これ以上ここに隠れる訳にもいかないので、渋々リビングへ足を運んだ。
「顔色は良くなったな。」
「えぇ・・・すみません、このような格好で。」
座って自分の姿がまだ寝巻きの姿だったことを思い出し、ぺこりと頭を下げる。
頭を下げるが、急にやって来たのはそっちなので自分は悪くないとティティルリアは心の中で悪態をつく。
「いや、私が早く訪問したせいであるから気にしないで良い。」
はぁ?!会う約束もしていないのになんで上から目線なわけ?!これだから貴族の坊ちゃんは・・・ケッ!!
貴族ありがちの上から目線の言葉にティティルリアはイラッとしながら頭を上げた。
「それで、一体どうしてこんな朝早くから家に尋ねられたのでしょうか?あいにくこの時間は私就寝していることが多いものでして、何か約束してました?」
約束もしていないのにこんな朝早くから来るなんてどういう了見な訳なの?
暗にそう言葉を乗せ、口の端を引きつかせながら目の前にいる長身の男を見上げる。
サディアはティティルリアと目があったがすぐに目を逸らされたので、その態度にもティティルリアはイラついた。
「・・・食事を」
「はい?食事?」
目を逸らしながら珍しく小さな声で言ってきた言葉にティティルリアは聞き返す。
「君と・・・食事を一緒にしようと思って来たのだ。」
・・・・何言ってんだこの人。
朝早くにやって来た理由が食事の誘いの為だったという理由にティティルリアはすぐには信じられなかった。
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