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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は9/7(土)投稿予定です。
何この子?私より年齢若そうに見えるけど・・・ていうかそんな顔で見る奴なんて関わりたくないんだけど。
初対面なのに何故か顔を顰めたままこちらを見下ろす彼女に対し、ティティルリアもまた態度を隠すこともなくムッとした表情で見上げる。
「何しに来たの、ハイネ・ローカー。今プライベートで訪れていることが分からないのか?」
私を見てか、それとも彼女の行動に対してなのか、厳しい顔を向けたタルネに臆することなくハイネと言われた彼女は礼儀正しくタルネに挨拶をした。
「すみませんタルネ先輩!でも、私どうしてもこの方とお話ししたくて。」
「貴女「タルネ、いいよ。・・・で、一体何の話しに来たの?」・・・。」
ティティルリアが折れる形で彼女がなぜ自分と話しがしたいのかその理由を問う。
さっさといなくなって欲しいのが本音である。
彼女は聞くやいなや、ティティルリアの前の空いている椅子へと腰を下ろす。
その間彼女の顔は鋭くこちらを睨むとように見ていた。
「では単刀直入に言います。ティティルリアさん、隊長と知り合いだからってもう隊長に関わるのはやめてください!」
「・・・・・・・・・・・・・はぁ?」
突拍子もない言葉にティティルリアの声色は低くなる。
誰が?誰に関わるって言った?こいつ。
「貴女が付き纏うと隊長が迷惑なんです!」
「隊長ってもしかしてガーランド隊長の事?」
聞き返せば、ハイネはその艶やかなピンクの髪をブンブンと揺らしながら頷く。
「・・・あのさぁ。」
訳のわからない言葉だが、自分の中であり得ない内容を一方的に断言した言われをされたティティルリアは一瞬で怒りが頂点になったのをどこか冷めた自分の中で感じ、思わずため息を吐いて怒りを抑える。
「タルネ・・・私、今回の採取調査の同行は不要なわけ?」
「そんな訳ないでしょ!ちょっと待って早まらないでティティ。ハイネ!一体それはどういう意味で言ってるの!隊長にこの子が付き纏っているって?一体どこでそんなデタラメな話しがあるのよ!」
とうとう剣幕な顔をして言及するタルネにハイネは少しだけ怯んだ顔を見せた。
「だ、だって皆そう言ってます。隊長は忙しいのにいつもスペンサー嬢が近くに居るって。聞けば隊長とは知り合いなんですよね?だからって隊長にべったりしているのは駄目だと思います。」
べったり?・・・もしかして最近事あるごとに遭遇していたあれのこと?
最近やけに彼に声かけられていた日の事を思い出してティティルリアは頭が痛くなる。
「あれは、ガーランド隊長から話しかけできたからですけど。」
「見え透いた嘘言わないで下さい!」
何でそうなる。
「隊長は滅多に女性と会話しないで有名なんです!それに私は隊長の婚約者なんてすから!嫌なんです!」
「はぁ・・・そーなんだー。」
「ちょ!ハイネ?!」
焦るタルネなど目をくれずティティルリアは彼女の態度に納得する。
なるほど、彼の婚約者奈良確かに見た目はどうであれ女性と一緒にいるところは見たくないだろう。
話しが通じない困った人ではあるが理由を聞いたティティルリアは目の前の相手に口を開く。
「分かりました、なら、必要事項はタルネにまかせて今度は話さないようにしますから。」
「ちょっ!そんな勝手に!?」
何故か焦るタルネを気にせずそう伝えるとハイネは渋々納得する姿勢を見せた。
「ほ、ほんとてすね!本当に本当にですよね?!絶対ですよ!」
「分かった分かった。もうありませんから。」
「そ、そう言っていただけるならよかったです!」
そう言ってハイネは脱兎の如く店を後にする。
やけに慌ただしかった彼女の後ろ姿に首を傾げる。
「何だったんだ?」
「もう・・・・知らん。」
ポツリと聞こえないように呟いたタルネは残っていたビールを煽って飲み干した。
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