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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/31(土)投稿予定です。
「でもよかったよ。思ったより早く任務に行けるみたいで。」
イラついているのがわかったのか、タルネが話題を変えた。タルネの言葉にティティルリアも少しだけ苛立ちが鎮まる。
「うん。でもさすが王都の博士様達だよ。ここまでの生息地の情報をよく集めたと思うよ。」
数日前、ティティルリアはとうとう、本来の目的の植物の生息地のエリアを絞り込む事に成功したのだ。
その事を今日の会議で発表し、後は十分な準備をして目的地へ向かうだけだ。
「それなら、シルフィア様も喜んでくれるわね。でも、輿入れ道具になんでその貴重な花がいるの?瑠璃ガラスの花弁ってそんなに凄い効力を持つの?」
「あぁ理由?」
何気ないタルネの疑問にティティルリアは知識を掘り起こす。
「効果はあると思うよ、いろんな意味で。」
「え?もしかしてそっち系?媚薬みたいな?」
タルネの言葉にティティルリアは首を横に振る。
「違う違う、むしろエルフ達はそういうの最も嫌っているから気をつけたほうがいいよ。」
「え?・・・あ!そうか、そうだったね。」
タルネもある歴史を思い出し相槌する。
数百年前、それぞれの種族同士が鎖国状態を強いていた頃一度は奴隷制度廃止になっていたのにも関わらず、エルフ達を騙し性奴隷として拉致、誘拐していた事実があった。
その時に当事者達に今では禁忌な薬剤を投与し無理やりエルフ達は商品として物扱いされ命を落としたのだという。
今ではエルフとは友好関係にあるが、その悲しい歴史は根深く残り、今でも性についてエルフ達は過敏になる程だ。そんな彼らに今のような卑猥に繋がる話しをすれば十中八九喧嘩沙汰になるだろう。
「うーんそれじゃぁ、なんでそれが必要なの?」
「あぁ・・・まぁ、これも昔話になるんだけどね。」
実は本来、他種族との妊娠は極めて低い。
当時性奴隷として攫われてた奴隷にされたエルフ達は、後で判明した事だが薬の影響で妊娠しやすい状態だったが、その後保護された領地ルーザッファ領で伴侶を得るわけだが、子が中々授かることが出来なかったらしい、それで他種族との間の妊娠は本来低いのだということが分かったのだ。
「ほーん・・・それがどう繋がるの?」
「その時に見つけ出したのがその瑠璃ガラスの花弁だよ。その花弁には特殊な作用があって他種族との妊娠を高めてくれるの。」
「え?!そうなの?!」
「うん、偶然見つけたみたいだけどね。それでその時代のルーザッファ家の確か双子の弟君が婿入りする際その花を持ってエルフの女王に一生の愛を誓ったっていう話しがエルフではずっと語り継がれているの。自分達と未来の子の為に一生添い遂げる、だからどうか僕の手とこの花を受け取ってください・・・ってね。」
「へぇ〜!情熱だね!」
「で、今ではエルフは花を持ってプロポーズが主流。瑠璃ガラスの花弁なんかは一生の愛を誓うっていう熱烈な意味を持つ事になるの。まぁそのせいで乱獲されて今では希少扱いなんだけどね。」
「そっか・・・だからシルフィア様の輿入れには必要だったのね。責任重大なんじゃん。」
「まぁ・・・ある意味そうだね。」
ティティルリアはそう言ってビールのグラスを傾ける。
確かに乱獲はされたけどエルフ王の管轄で生産はされているから別に採取できなくても問題はない。
おそらくだが王女が今の逸話を知ってその花を持って輿入れをしたいと言ったのではないかとティティルリアはそう思っていた。
今回の件は皇女自身の我儘な発言が発端だろう。
でもまぁ、それを持って輿入れをしたいと思うほど、相手の事を想っているからなんだろうけどさ。
いじらしいけど自分で探しに行かないと意味ないんじゃない?とそんな事を思っていたら頭上から声がした。
「失礼します!貴女がエスペーダ嬢でしょうか!」
「ん?」
見上げると騎士の服を着た桃色の髪の女の子がそこに立っていた。
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