戦闘1
眼下に戦火が広がっている。あちらこちらで魔法を確認できる、抵抗しているのはから揚げたちの仲間だけではない。この町の力ある住民たちが、治安維持局の人間がこの事態に対処している。だが、さっきまで当たり前に話していた知人、友人、家族に誰がまともに戦えるか、戦うのではなく、止めようとしている。逃げるのでもなく必死に止めようと、
その事が被害を拡大される。
姿こそ確認できないが、ふっと明かりが消えるたびにから揚げの仲間であろうと思われる人が闘っているのは感じられる。姿を見せず、複数人で確実に任務をこなしていく。
「こうしてみると結構魔法陣完成しているな。」
「ですね。」
「お仲間の話だと、あのイカレ軍人は本気でバベルの塔ごとあの力で消し飛ばす気らしい。ただ乾坤一擲の一太刀それなりに精神統一がいるんだと、よっと。」
会話の途中で、前方の雲間から氷の矢が飛んでくる。
「っと、見つかったか。しかし見えねえな。」
「バベルの塔からです。イングレット先生です。それと正面から8人来ます。」
「この距離で打ってくるのかよ。てかお前、どうやって」
「たぶん侑季の種のおかげでしょうか、共鳴するものが分かるっていうか」
「分かるんなら、矢が飛んできているのを教えろ!」
「すみません確信がなかったもので、それに流石に矢の位置までは」
矢は的確に流星だけを狙ってくるそれに他の魔術師たちも流星だけを切れ間なく、
「っち、まぁいい、それじゃ正面突破行くぞ、」
「え?迂回するんじゃ?」
「お前が分かるってことは向うも分かるって事だろ、現にこうしてバレているわけだし、
だったら一気に突き抜ける。流星の名は伊達じゃねぇって見せてやるよ。」
「落ちるんじゃなく昇ってください。」
「そういう意味じゃねぇっつうのいくぜ。」
恋夜の悲鳴が響く中、下ではイロハ、もといアステリアの高笑いが聞こえてくる。
「ははは、その程度か!その程度でこの私に刃向うなどと笑わせてくれる。」
調子が上がって来たのか、敵味方関係なく、あたり一帯のあらゆる生命反応を、片っ端からその力でねじ伏せていく。」
「ちょっと、イロハちゃん!やりすぎ、落ち着いて。」
「黙れ、この私に命令するつもりか、凛清とか言ったなサブカル女。お前その程度力で魔女を語ろうなどと恥ずかしくはないのか、いや、この私があまりに圧倒的すぎるだけか!!」
徐々に調子を上げてきているのか、段々と魔法の威力が上がってきている。
初めこそ数本だった黒い矢も、今では数十本が宙を舞い、無差別に貫いていく。
『ちょっと、アステリアちゃん、これじゃ、完全に悪者じゃない!』
「敵味方など知るか、あまりに矮小な魔力故この私には判別がつかん、ならばこう言おう!
聞け皆の者!我にひれ伏す畜生なれば、その頭を垂れ、我が名を呼応し、懇願せよ。さもなくばわが黒槍に貫かれ、永劫の牢獄へ落ちるがよい!」
『ちょっと余計悪役っぽい、というか何!永劫の牢獄って、これ一時的だよね。大丈夫だよね!私この年で捕まりたくないからね』
「この場で臓物をぶちまけぬだけでもありがたいと思え!そうじゃの、自ら我が家畜である自覚が芽生えれば解放してやらんわけでもないがな、はははは!」
「うわー、完全にスイッチ入っているわ、」
「えび天さん止めなくていいんですか?」
「今はとりあえず、いいだろ、あれ大丈夫だよな。戻れるよな。それより予定変更だ。
好き勝手に暴れさせておいて俺たちは別の場所に向かうぞ、予測よりも陣の完成速度が速い。あの女、どれだけ支配下に置いてんだ。どんどん増えているようにさえ思えるぜ。」
「増えている?あの、えび天さん実はさっきから気になることがあって、」
「後にしろ、」
「少しだけ、移動しながらでいいので、」
「何だ?」
「あの、茨ところどこに花が咲いているみたい。それに、あの町の人たち、その鼻を守っているみたいに、それにこの匂い。ひょっとしてこの花の花粉にも」
「!」
えび天は足を止めると、何かを探すようにし、手で宙を掴む
「……花粉じゃない。これは種だ。やってくれるあの上の花が咲かなくても種は作れるのかよ。冗談じゃねえぞ!しかしこれだけの魔術、何者だ、あの娘。」
「長い時間をかけてずっと考えて研究していたの、準備も万全。当たり前でしょ。」
「!!」
えび天と、凛清の間に、黒い影が割って入る。
ブラックメタリックにグリーンのライトの線が入った鎧
「会長、ですか?」
「凛清。ここは危険よ。早く逃げなさい」
「逃げなさいって、」
「邪魔はしないで、そうすればあなたたちに危害は加えない。」
「つまりは、邪魔をしない限りはって事だろ。」
「そうよ。凛清、先に言ってくわ。言葉で私を止められると思わないで、手加減なんてすると思わないで、私は決めたの侑季の願いをかなえる事だけを考える。」
「お前、自分の命を魔力にしてるのか。」
「だったら何?少なくとも、彼女に勝てるくらいには強いわよ、今の私。」
葵は黒薔薇姫のペンダントを投げ捨てる。
「会長!」
「!!!同情を誘っといて不意打ちか。やり方がキタねぇな!おい」
凛清の油断に攻撃を仕掛けてきた葵をえび天が防ぐ。
「なるほどねぇ。イカれた野郎に付き従うのは同じくイカれた野郎か、元仲間でも容赦ないか、いいね、心身ともに迷いのない狂人は、いいだろう相手してやる。嬢ちゃん。あんたは予定通り、魔方陣を阻しろ。」
「でも、」
「だったら、お前に戦えんのか!あ!」
「それは、」
「だったら口出しするな。それに魔法陣を阻止するのが何よりの攻撃だよ!」
えび天と、葵の激突の魔力の衝撃波に飛ばされ、凛清はその場所から吹き飛ばされる。
凛清は少しは躊躇うが、まずは自分にできることをと、から揚げの仲間にこの町に舞う種の事を話し、この町に残った人が侑季の傀儡にならないように、街の人の救出に回る。
「イカ天を倒したイカレ野郎」
「面白い事言ったつもり?」
「それを狩るのはこの俺エビ天。」
「知らないの?イカはエビを食べるのよ!」




