変化3
「そう、なるほどね。直接俺に言いに来ればいいのに」
3日後の夕方、寮への移動時間、久しぶりの二人きりの状況でえび天からの伝言を伝える。
何だろう不思議と、恋夜が少し前までのいつも恋夜のように感じる。侑季がいないせいか
「伝言どういう意味なんですか?」
「侑季の事です。約束したんです。命にかけても、侑季を魔女にはさせない、もしもの時は自分で片を付ける。それだけの覚悟がある。だから大人しくしていてくださいって。」
「よく、あの人を説得できましたね。ところで、から揚げさんたちって何者なんですか?」
「世界の救世主、そして古代種の産み出された悲劇に対する復讐者、だそうです。」
『つまりはお前の同類という奴か』
「久しぶりに出てきたな、アステリア。元気だったか」
『それが人のご機嫌をうかがう奴の顔か?』
「……元気そうで残念だ。」
『ふん、それより、どういう事だ、お前はイロハを守るんじゃなかったのか、最近はあのヒス女にすっかりお熱じゃないか、浮気男』
「ちょ、ちょっと!アステリアちゃん!」
イロハが口を封じるために魔法で口封じのテープを飛ばすが、アステリア見事に躱す。
『ふははは、この私に同じ手が通用するか!!いいか、お前があのヒス女にお熱の間に、、』
「いやーー!!!」
言ってはいけないことを言おうとするアステリアに対し、全方位から無数のテープが飛んでくる、躱そうとするアステリアを物量で押しつぶし、雪だるま状にしてしまう。
「はぁっはぁはぁ」
「だ、大丈夫?」
「な、何でもないです。そ、それより、今日は、侑季ちゃんは?」
「なんかご両親が来ているらしくて、上の方に、」
「いかなくてよかったんですか?恋人なのに」
「……」
「あ、いや、別に」
今の言い方よくなかった、嫌味っぽい、あぁ、もうなんでこんな
「恋人じゃないですよ。僕は侑季さんを助けたいだけです。イロハさんと同じように」
気を使っての言葉だろう、でもそれは同じだという事「助けたいだけ」。分かっているし、悪意はない、それにイロハ自身、恋夜に対しての感情が何なのか整理がついていない。
恩人、友達、それともそれ以上を望んでいるのかさえ、
「……イロハさん、この後時間あります?」
「?」
「実は侑季さんの事で女の人の意見を聞いてみたいんです。それに、少し話も聞いてほしいなって、今までこういった経験なくて、相談っていう奴ですか、柄じゃありませんけど、」「私でいいの?」
「こういう話をする相手イロハさん以外に思い当りませんし、それに、考えてみればイロハさんと、アステリア以外でちゃんと話した事ありませんでしたし、どうです。たまには食事しながらゆっくりと、そんなに高いのはおごれませんけど」
「いいですよ。実は私も話したいこと、聞きたいことあるんです。」
あぁ、この感じ好きだな。なんだか安心できる。




