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父、帰る

ちゃんと生きてた


それは…麗らかな日差しの日のことだった。



一応は道路もある。走るのは馬車か馬、あとは近場にお住まいのお客さんかガキんちょ…


何せ街に近いこの辺一帯がじい様の土地だと言う。



どんな冗談かと思うが、この森の奥にある小川までが所有地だそうで…そこから水を引いているそうな…


お父さんとその弟たちで作ったそうな…




兄ばっかり居るし、父親は既に亡くなったものと考えていた。


あいつは…行商に行っているとじい様が告げた。


じい様の指示で、家に居ないのか…と思ったが、どうも違うらしい


「あぁ…親父は、転生者だか転移者って呼ばれる特異な人らしくてな…国に仕えるのは嫌だって、情報の売り買いでこの国どころか、他国まで回るから…滅多に戻って来れないんだよ」


「でもさぁ…親父も喜ぶんじゃね?待望の女の子だ」

ファラオンの言葉に続けてフェデリオが告げた。



そんな兄が開けた口を閉ざした。


窓から見えたのは長男・ノルデ


それだけなら双子も狼狽えはしない…


ノルデの隣に立つ女性


「…あれって、エドの妹だよな?」


そうフェデリオがファラオンに問い質した。


「そうだな、多分…下の妹だろ」



「エドって?」


「あぁ、街の商人なんだ…たまにここにも来るし、会ってると思うよ」


「エドワードって名前だ、そっちなら解るか?」


「ん。エドワードさんは、お菓子くれる」

そう頷けば、双子は目を丸くした。


「あの守銭奴が」


「嘘だろ…」

ダメージを受けたように項垂れた。



因みにノルデが連れてきた女子…いや、女性か。


彼女はノルデと結婚するのかなぁ?


ノルデと女性…エドワードの妹・エミリアを招待してから四半時…


馬車がやって来た。


ちょうどルガと鶏を鶏舎に連れ戻すところだった。


馬車から降りた男は、ファラオンに似ていた。


フェデリオは母に似ているが、馬車から降りた男が父親なら、ファラオンは父に似ていることになる。



「ルガ…馬車が来たよ」


「あぁ、早く仕舞わねぇとって…一羽そっち逃げたー」


「捕まえたー」


「鶏はちっさい分すばしっこいからなぁ…」


「兄ちゃん…手伝ってくれるの?」


「まぁ…時間無いし手伝ってやるか」



ニッコリ笑うファラオンが現れた。


しかし、フェデリオがその後ろで牛を牛舎に戻すのに奮闘しているのだが…


全ての鶏を鶏舎に連れ戻せば、家に帰れる。


陽は徐々に沈む…



「フェデリオ、牛は戻ったか?」


「今から、確認するとこ」


どこかうんざりした様子のフェデリオが、ファラオンを睨み付けた。


「じゃあさ、俺が数えておくから…下の子たち連れて先に帰っておいてよ」


「…確認したら、ちゃんと帰って来いよ」


「心配性だなぁ、フェデリオは…」


「お前が、ちゃらんぽらんしてるからな」


そう吐き捨てるように告げて、フェデリオと共に帰宅した。


家には見知らぬ顔が1つ増えている。



「戻ったよー」


「おう、帰ってきたか…ファラオンはどうした?」


「牛の確認してる…ってか親父、ちゃんと生きてたんだ」


「しぶとさには定評があるからな」




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