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ゲームスタート

 カメンライダー龍騎のOPを聴いていたら書きたくなった。後悔も反省もしない。


 前回までのあらすじ:前半意味不明、ぼっちの大学生に変なメールが届く。

「……いたずら?」

 数秒ほどケータイの液晶を見つめてみたが何も起こらない、変なサイトに繋がった気配も無い。文にも続きはないようだった。

「なんか拍子抜けだけど、まぁ悪いことが起こらなかっただけいいか」

 そう言って一度ケータイを閉じ、さて何をして寝るまでの時間を潰そうか、と一義は考え始めたが。

「いやもしかして気づいてないだけで何か変なものが入ってきてるかも」

 そう考え始めると落ち着かなくなって、ついケータイの中身を確認してしまう。

「うん、大丈夫だな。特に何も……変わってる」

 あまりに自然すぎて一度は見逃したが、確かに他のアプリケーションに混じって見覚えの無いアイコンが存在している。

 円形の黒地に金でヤギの頭蓋をかたどったような見るからに禍々しいアイコンがいつの間にか表示されていた。いや、いつの間にかでは無い、ついさっきまでなかった筈だ、恐らくメールを開いたときからなのだろう。

「消せないのかな。どうしよう、何かのゲームみたいに見えなくも無いけど。……いや、軽い気持ちで押したら入会費一万円になります。とか来るに違いない。もう弄るのはやめて放って置こう」

 また明日…は休日なので次に大学に行く時に、友達に相談しよう。そう考え、一義はケータイを閉じた、閉じたのだが。

「……」

 なんとも落ち着かない、ゲームみたいなもの、そう思うと弄って見たくなってくる。

 10分ほどケータイを開いたり閉じたりしながら考えただろうか、しかし結局。

「こう言うのって、大抵脅しだけで実際は何にも無いってのが常だよね」

 好奇心には勝てないということだろう、今度こそケータイを操作し例のアイコンを表示する。そして、そのアプリケーションを開いた。そして画面が一面黒くなったと思えば、そこに黄色で文章が表示された。


『貴方は、選ばれました。

 貴方はプレイヤーとして用意された戦闘の相棒『パートナー』と共にこのゲームを戦ってゆかなければなりません。ここに書かれていることは非常に重要なことですのでよくお読みください。

 パートナーは貴方の中に住み着いている魂だけの存在ですが、彼らが存在するためには膨大な力、通称『SPソウルポイント』が必要です。蓄えられているSPは時間が経つにつれて少しずつ減っていきます、いずれSPが0になり自力で存在を保てなくなったとき、パートナーに貴方の魂まで喰らい尽くされることになるでしょう。

 1時間に1SP消費し、現在の貴方のSPは720、720時間の間に自分以外のパートナーを倒せたなら、パートナーのSPは倒した相手の持っていた分だけ増加します』


「へぇ、そう言う設定なのか。育成ゲームかな?」

 一義は続きを読むべくボタンに指を掛ける、


『他のプレイヤーがどこに居るのか調べたい場合は『サーチ』をお使いください。地図が表示され、貴方を含めたプレイヤーの居場所が赤いマークで表示されます。 

 自分以外のプレイヤーが20メートル以内に居るときに、『バトル』のボタンを押していただく事で戦闘が開始されます。20メートル以内に2人以上のプレイヤーが居るときは、より距離が近いほうのプレイヤーと戦っていただきます。

 そして近くで戦闘が開始されるとき『ウォッチ』をONにしていることで、その戦いを観戦することができます。

 戦いは必ず2対2、戦いが始まれば『コール』でパートナーを呼び出し、プレイヤー自身も参加してパートナーの持つ身体能力や固有のスキルなどを駆使して戦って行くことになります。

 スキルはSPを消費して使用する技のようなもので、パートナーがそれぞれ3つ持っており、増やすことも変えることもできません。強力なスキルほどSPの消費が激しいので、慎重にご使用ください。 パートナーかプレイヤーが倒れるか、SPを使い果たした時点で敗北となります。

 このゲームは予選と本戦に分かれており、予選では参加している665組にそれぞれ自由に戦って頂きます。予選の間はプレイヤー同士が近くに居る場合、初回のみお伝えさせていただきます。残りが128組になった時点で本戦となります。

 そして本戦を勝ち抜き最後の1人になったとき、どんな願いでも一つだけ叶えることができるでしょう。

 貴方のエントリーナンバーは666です。それでは、御武運をお祈りいたします』


「ふぅん……長い、面倒くさい」

 ケータイでできるゲームなんてボタンをいくつか押せば終わるだろうと思っていた一義は、無駄に手の込んだ説明に辟易した。しかも、説明を読む限りでは外を歩き回って同じゲームを持っている人の近くに行かなければならないらしい、ますます面倒だ。

 正直もうやる気は起きないが見るだけ見ておくかと思いながらケータイのボタンを押す、すると先ほどまで表示されていた説明は消え去り、今度はメニューのような画面が表示された。アイコンにもなっているヤギの頭蓋を背景に、いくつかの字とその下に字の書かれたボタンが並んでいる。

「えっと、『貴方の番号666』『SP720』『パートナー:マイ』『残り437組』……。だけど、666って参加人数オーバーしてない?まぁ、1から始まってるのかは解らないけど。だいたい、なんか不吉だし」

 そもそも600いくらかしか参加できないというのはゲームとしてどうなのだろうか。サーバーが違うとかそう言う事だろうか。

「まぁいいや、それでこっちのボタンが……え、英語か…えっと……カ、カルー?」

 ボタンは縦2列、横3列で6つあり、それぞれ『コール』『スキル』『サーチ』『バトル』『ウォッチ』『バック』と書いてあることが解った。このうち自力で読めたのは、スキルとバックのみである。6つの内バトルとスキルはボタンが暗くなっていたので今は押せないのだろう。

「んー、もう10時か……」

 テレビを点けリモコンを手に取りチャンネルをいくつか変える、しかしやっているのは見たことの無いドラマか事故や政権についてのニュースなど、あまり興味を惹かれるようなものは無く、溜息を1つついてテレビを消す。

 いつもならもう少し起きているところだが、今日は気分が乗らないしもう寝ることにしよう。そう思い一義は敷きっぱなしにしてある布団を整える。

 例のゲームでケータイに異常が出ていないかもう一度念入りに調べた後、一義は布団に入った。思っていた以上に面倒くさそうなあのゲームには二度と触れることは無いだろうと思いながら。



「おかしいな」

 路上に停めてある一台の白い車、電灯の明かりが丁度フロントから入る位置に停められたその車の運転席で、30前後に見える黒いスーツ姿の女性が折りたたみ式の白いケータイを片手に呟く。

 その液晶には地図が写されており、その中に赤い点が3つほど。女性は先ほどから地図を拡大したり縮小したりを繰り返し、その度に画面の中に表示される赤い点の数が変わっている。

「瞬間移動…なんてできるわけ無いから、一度人数は揃ったと思ったけど、まだ増え続けているということ?……それにしては」

 忙しなくケータイを操作し地図を閉じる。

「残り人数が増えていないんだけど」

 彼女の液晶には狼の頭のようなエンブレムを背景にいくつかの字とボタンが表示されていた。


『貴方の番号042』『SP1013』『パートナー:カナード』『残り437組』


 その後も何度か地図を閉じたり開いたりしていたが、変化が得られないと解ると、

「…ふぅ、こんなことは今まで無かったのに」

小さなため息とともにケータイをたたみ、首を回す。

「そう遠くは無いか」



「……たまには何処かお店で食べたいんだけどな」

 翌日、正午を少し過ぎた頃、さほど人通りの多くない通りで一義は飲食店を求めてさ迷っていた。

 朝は部屋にあった消費期限ギリギリ(オーバー)のお惣菜パンで済ませたのだが、それで部屋にある食べ物は尽きてしまった。

 せっかくなので買い物のついでにたまには外で美味しい物でも食べようと思っていたのだ。安っぽい味も嫌いではないが、流石に一ヶ月似たような物しか食べていなければ飽きる。

「何にしようか」

 引っ越してから約一ヶ月、これまで外食には縁が無く土地勘も無い一義では、飲食店一つ探すのにも限界があった。いや、正しくは飲食店は先ほどから見かけているのだが、食べたいと思えるものが無いのだ。

 今一義が求めているのは、ラーメンでも中華でも和食でもステーキでもない、なら何ならいいんだと訊かれれば「あの、なんかもっとこう」としか言えないのだが。

「……よし、ハンバーガーにしよう」

 結局行き着くのは普段と大差ないような食事だがそれでも満足して、さてハンバーガーショップを探そうかと気持ちも新たに踏み出した。丁度その時。

『~~♪~♪』

 またもポケットに入れてあるケータイが電子音を鳴り響かせる、一義はケータイを取り出し確認した。

「あれ?なにも来てない?」

 メールも電話も来ていない、それでいて着信音だけがケータイを開いても鳴り続けている。何処か変な所を弄ってしまったのか、と一義がケータイをひっくり返し始めると。

「あっ、きっ君、あのちょっといいかい?」

 後ろから誰かに声を掛けられた。

 一義が振り返ると、そこには40歳ほどの、スーツを着た気の弱そうな、小太りの男性が振動するケータイを片手に挙動不審気味に立っていた。

「えっと、なんでしょう?」

「ああその、君に勝負を申し込みたくてね。……私にも余裕が無いんだ、悪く思わないでくれ」

「……は?はぁ」

 一義の反応は今一だが、ある意味当然といえるだろう。

 いきなり知らない人に声を掛けられて、勝負がどうのといわれてもピンと来る人は少ないだろう。喧嘩を売っていると取れなくも無い台詞だが、相手の態度からしてそうは思えない。

 そんな反応に、男性は自信無さげな顔になり手に持ったケータイと一義に交互に目をやる。額には薄っすらと汗が滲み始めていた。

「あ、あれ?間違えたのか?いやでも確かに……」

 一義が人違いでもされたのかそれとも変な人なのか、逃げるべきかとりあえず待ってみるべきか、などと考えていると、男性から短く声が掛かる。

「ちょっとすまない」

 そう言って男性が震える指でケータイを操作した。

 途端に、まるで酷い熱でも出したときのような、頭が朦朧とする感覚とともに、世界が変わる。


『GAME START』

 本編の途中であまり詳しく人物の見た目を描写する気はありません。ただ、キャラのまとめみたいなの書くなら、作者のイメージを載せるかも知れません。

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