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ルカ・マーフィーは夜魔法の継承者  作者: 如月


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魔導書

そしてよろめきながら真実の扉へ向かい始める。


「まだだ……」


「俺は……」


足取りは重い。


先ほどまでの圧倒的な強者の姿はなかった。


その様子を見て。


ルカは気付いた。


黒縄の力が弱まっている。


「今なら……!」


必死に魔力を込める。


夜魔法。


重量魔法。


残った力を振り絞る。


バキィッ!!


黒縄が砕け散った。


自由になったルカは息を切らしながら立ち上がる。


その時だった。


真実の扉から一筋の光が差し込んだ。


そして。


光の先。


床に一冊の魔導書が置かれていた。


ページが勝手に開いている。


導かれるように近付く。


そこに書かれていたのは――


『世界の魔法石』


ルカは驚いた。


古代文字のはずなのに。


不思議と読める。


頭の中へ直接流れ込んでくる。


『魔法石は心に深い闇を宿す者には使用できない』


『外へ持ち出した場合、世界の均衡は崩壊する』


『人類の滅亡へ繋がる』


ルカの顔色が変わる。


さらに読み進める。


そして。


一つの方法を見つけた。


『夜魔法の継承者は夜空の星々の力を集め、魔法石へ注ぐことで本来の力を呼び覚ますことができる』


『星々の記憶と力を取り戻した魔法石は元の場所へ帰還する』


ルカは本を握り締めた。


「やるしかない。」


震える足で立ち上がる。


「今、この世界を救えるのは――」


瞳に決意が宿る。


「俺だけだ。」


そして走り出した。


身体も限界だった。


足は震えている。


視界もぼやける。


正直立っているだけでも精一杯だった。


だけど。


不思議と怖くなかった。


「今までだって。」


ルカは小さく笑う。


「一人じゃなかった。」


思い出す。


アクアが助けてくれたこと。


セドリックが守ってくれたこと。


レオが導いてくれたこと。


皆がいたからここまで来れた。


だから。


今だけは。


自分が皆を守る番だった。


「やるしかない。」


杖を握る。


「今、この世界を救えるのは――」


夜空を見上げる。


無数の星が輝いている。


「俺だけだ。」


その瞳に迷いはなかった。

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