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ルカ・マーフィーは夜魔法の継承者  作者: 如月


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ブラックの結束

待機班が集められた薄暗い通路。


遠くからは、先発隊が戦う轟音が微かに響いていた。


剣がぶつかる音。

魔法が炸裂する音。

そして、時折空気を震わせるほどの巨大な魔力。


その音を聞きながら、雪梅は静かに仲間たちを見回した。


「いい? 私たちの役目は敵のボスを倒すことじゃない」


雪梅は真剣な表情で言う。


「私たちの任務は、あそこにいないルカくんの奪還よ」


アリス、オーランド、アクアの三人が頷く。


「今は先発隊が敵のボスを引きつけてくれている。その間に私たちは全力でルカくんを探す」


雪梅は拳を握り締めた。


「奪還後は先発隊と合流して共闘。全員で帰るわよ」


「はい!」


三人の声が重なった。


しかし――


アリスだけは少し浮かない顔をしていた。


雪梅は気づく。


「どうしたの、アリス?」


アリスは少し俯き、そして決意したように顔を上げた。


「雪梅先生……」


その声は震えていた。


「ソジュン……ソジュンも見つけたいです」


全員がアリスを見る。


「私は……事の真相を知りたいんです」


アリスの瞳には迷いと悲しみが混ざっていた。


「どうしてあんなことをしたのか。本当にあれがソジュンの意思だったのか」


握り締めた拳が小さく震える。


「だから……見つけたら確保したいです」


そして小さく呟いた。


「目を覚ましてやりたいんです……」


その言葉に沈黙が落ちる。


だが次の瞬間。


「当然っすよ」


オーランドが前へ出た。


その目には怒りが宿っていた。


「俺はあいつを見捨てねぇ」


拳を握る。


「絶対にな」


さらに鼻を鳴らした。


「見つけたら一発殴ってやりますよ!」


アリスが思わず目を丸くする。


「オーランド……」


「殴ってから連れて帰る」


オーランドは不敵に笑った。


「それで文句ねぇっすよね」


その言葉に、少しだけアリスの表情が和らぐ。


すると今度はアクアが前へ出た。


「俺もです!」


勢いよく叫ぶ。


「ルカを絶対見つける!」


そして真っ直ぐ前を見据えた。


「それにソジュン先輩にも謝ってもらいたい!」


アクアの声には怒りが混じっていた。


「ルカがどれだけ傷ついたと思ってるんだ!」


「アクア……」


「絶対に許さない。でも」


アクアは拳を握る。


「ちゃんと謝らせる!」


その言葉に雪梅は微笑んだ。


「ええ、もちろんよ」


そして全員を見渡す。


「ルカくんも」


「ソジュンくんも」


「みんな連れて帰る」


雪梅の声は力強かった。


「全員で帰るんだから!」


その瞬間。


四人の瞳に同じ決意が宿る。


誰一人欠けさせない。


必ず助け出す。


その想いを胸に――


雪梅を先頭に、アリス、オーランド、アクアの四人は暗い回廊の奥へと駆け出した。


先発隊が命懸けで稼いでくれている時間を無駄にはできない。


ルカを救うために。


そして、ソジュンの真実を確かめるために。


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