決着
四属性が融合した超高密度魔法が、地下通路を白く染め上げた。
風が裂ける。
水流が蒸発する。
雷光と光が暴風を呑み込み、その中心へ叩き込まれる。
「きゃあぁぁぁぁっ!!」
フードの女が吹き飛ばされた。
凄まじい衝撃と共に壁へ激突する。
地下通路全体が揺れ、瓦礫が崩れ落ちた。
やがて。
荒れ狂っていた魔力が、ゆっくりと静まっていく。
「……終わったか」
リアムが雷を消しながら呟く。
ルカは荒く息をしながら女へ視線を向けた。
女は完全に気絶している。
その時だった。
パキッ――。
衝撃で女の仮面が割れた。
床へ砕け落ちる。
そして現れた素顔に、ルカ達は目を見開いた。
「……え?」
アクアが呆然と声を漏らす。
そこにいたのは、自分達とほとんど年齢の変わらない少女だった。
まだ幼さすら残る顔立ち。
敵として戦っていたとは思えないほど、普通の少女に見える。
リアムも眉をひそめた。
「ガキ……?」
セドリックは静かに少女を見下ろしていた。
その黒い瞳には、複雑な感情が浮かんでいる。
やがて彼は冷静に口を開いた。
「拘束する」
風魔法で少女の両腕を縛り上げる。
さらに水魔法で魔力抑制の封印を施した。
「このまま学園へ連れて行く」
セドリックが言う。
「何か情報を知っているかもしれない」
リアムが頷く。
セドリックは気絶した少女を抱え上げると、静かに踵を返した。
地下通路へ、再び重苦しい静寂が戻る。
ルカは小さく拳を握った。
敵。
そのはずなのに。
どうしても割り切れない感情が残る。
だが。
立ち止まっている暇はない。
リアムが振り返る。
「行くぞ」
ルカとアクアは頷き、さらに地下深部へ進み始めた。




