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ルカ・マーフィーは夜魔法の継承者  作者: 如月


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アクアとルカの戦闘

地下深部――。


真実の扉へ続く最後の通路。


ルカとアクアは、荒く息をしながら走っていた。


後方から感じていたレオの死霊魔法が、突然消えたことにルカは気づいていた。


「……っ」


胸騒ぎがする。


だが今は立ち止まれない。


進まなければならない。


二人はさらに奥へ駆け抜ける。


そして次の瞬間。


ルカの足が止まった。


「……っ!?」


通路の先。


一人の男が倒れていた。


黒いロングコート。


見慣れた姿。


「アルク先生!?」


ルカが駆け寄る。


アルクは壁際へ倒れ込み、額から血を流していた。


魔力反応もかなり弱い。


アクアもすぐに膝をつく。


胸元の十字架のネックレスが淡く光った。


「……生きてる。でも気を失ってる」


その言葉にルカが歯を食いしばる。


アルクほどの実力者が、ここまでやられている。


その時だった。


「ふふっ」


女の笑い声。


ルカとアクアが同時に顔を上げる。


通路の奥。


一人のフードの女が立っていた。


長い髪が闇の中で揺れている。


その周囲には異様な魔力が渦巻いていた。


女は口元を歪める。


「先生が勝てなかった私に」


静かな声。


だが圧が凄まじい。


「貴方達が勝てると思ってるのかしら?」


その瞬間。


ゴォォォォォッ!!!


女の足元へ巨大な魔法陣が展開された。


青と緑。


水属性と風属性。


二つの魔法陣が同時に回転を始める。


「複合属性……!」


アクアが目を見開く。


次の瞬間。


ドゴォォォォン!!!


巨大な水の竜巻が発生した。


風によって超高速回転する水流。


地下通路を削りながら迫ってくる。


「ッ!!」


ルカがアクアを引き寄せる。


直後。


竜巻が通路を飲み込んだ。


ズガァァァン!!!


壁が砕ける。


床が抉れる。


凄まじい破壊力。


「ははっ……!」


女が笑う。


「避けたの? いい反応ね」


ルカは夜魔法を展開した。


黒い影が足元から広がる。


アクアも胸元の十字架へ手を当てる。


淡い光がネックレスから溢れ、魔力が増幅されていく。


二人は同時に構える。


戦闘態勢。


女は楽しそうに目を細めた。


「その夜魔法……貴方が“鍵”ね」


ルカの瞳が鋭くなる。


「何の話だ」


「知らないならそれでいいわ」


女が杖を振るう。


ゴォォォォッ!!


今度は複数の水竜巻が発生した。


地下通路を埋め尽くす暴風。


「ルカ!!」


「わかってる!」


ルカが両手を前へ出す。


夜魔法が一気に膨れ上がった。


「星壁結界!!」


黒い闇が壁となって広がる。


次の瞬間。


ドゴォォォォン!!!


水竜巻が激突。


衝撃でルカの身体が後ろへ滑る。


「ぐっ……!」


重い。


圧力が桁違いだった。


闇が削られていく。


女が笑う。


「防ぐだけ?」


その瞬間。


ヒュンッ!!


鋭い水刃が星の壁を貫通した。


「ッ!」


ルカが咄嗟に回避。


頬が浅く切れる。


血が飛んだ。


「ルカ!!」


アクアが叫ぶ。


だが女は止まらない。


風魔法を纏い、一瞬で距離を詰める。


速い。


「ッ!?」


ルカの目の前へ水槍が迫る。


その瞬間。


「グラビティ・プレス!!」


アクアの十字架が眩く光った。


次の瞬間。


ズドォォォン!!!


凄まじい重力が周囲へ叩きつけられる。


空気そのものが沈んだ。


女の身体が急激に落下する。


「なっ!?」


床が砕けるほどの超重量。


水槍も地面へ叩き落とされ、砕け散った。


ルカが目を見開く。


アクアの重量魔法。


空間そのものへ重力をかける特殊属性。


女は舌打ちしながら風魔法で無理やり身体を浮かせる。


「厄介な魔法だ……!」


アクアは息を荒げながら前へ出た。


怖い。


だが、その瞳には覚悟が宿っていた。


「ルカは……俺が守る!!」


その瞬間。


地下通路全体へさらに巨大な魔力が渦巻き始めた。

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