夢で逢う相棒とユナの失態
「…ここは?」
起きると、見たこともないところだった。草原が広がっている…。電車の中だったはずだが…?
「おはよ」
声をかけられ、その方を見ると
「…カズネ?」
元、『表裏』使いのカズネが目の前に立っていた。
「どしたの? クロマが来るなんて珍しいね」
「? ここはどこだ?」
「あれ? 知らずに来たの? ふうん。まあ、いいや。ほら、早く来て。『表裏』のこと、紹介してあげるから」
そういって、カズネは俺の手を引き、走り出した。
「はい、これが『表裏』だよ」
一本の樹の下、そこに立っていたのはポニーテール女の人だった。見たことないけれど会ったことのあるような…そんな人だった。
「初めまして。『表裏』こと、クレアよ」
「は、はじめまして。ミヤノリです」
「クロマね! ほんっと使い方雑なんだから! もっとこう流れで切ったらいいのに。どしてそんなに切り裂こうって危ない考え方してるのよ!」
「え…えっと。ごめん?」
「まあ、分かったなら良い…許してあげる…あっ、もうお別れみたいだね」
「お別れ?」
「夢が覚めちゃうってことだよ」
ばいばーいと手を振る、クレアとカズネが周りの風景と同化し、真っ暗になっていった。
…? あれ? 電車の中だ。
「あ、おはよ。クロマ」
目を覚ますと、反対側の席に座っていた姫がこちらに気付き、そう言ってきた。
「…ユナは?」
「ユナ? 誰それ」
「…ミナは?」
「ミナなら前の方だよ。電車の興奮が醒めないらしくて」
「そうか」
俺は今見た夢について考えることにした。
"『表裏』ことクレア"とか言ってたな…。あと俺の戦い方が雑だとも。えーっと、流れで斬るようにだっけ?
どういうことなんたろうか…?
というか所詮夢だから、そんなに深く考える必要もないか。
「あ、クロマくんおはよう」
と、前の方から、ユナが元気よくやってきた。
「クロマくん、姫ちゃん。着いたみたいだよ」
プシュー、と音を立てて電車は止まった。
「早く行こっ!」
ユナに手を引かれ、俺と姫は電車から早々と出た。
俺たちが電車から出るとすぐに電車は発車し、来た道を帰っていった。
「ここが郊外…本当に荒野というか何もないところだな」
「そうだね…先生はどこにいるんだろう?」
見渡す限り、岩や砂ばかりである。人なんて住めそうにない。
「手紙には終点で待ってるって書いてるんだけど…」
終点…? レールはまだ続いているぞ?
「…ここ終点じゃなかった?」
「そうなるな。まだレールは続いてるし」
「電車がまた来るまで時間、結構あるよね…」
「…歩くか」
俺のその言葉に他二人が非難の目を向けてきたが、こればかりはしょうがない。
「行くぞ? 二人とも」
「仕方ないなあ。ほら、姫ちゃん行くよ」
「え、あ、うん…」
レール沿いに俺らは歩き始めた。




