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Blood-stained vampire  作者: ココロ
第一章 鬼の襲撃と地下での出会い
20/22

地下の終わり、約束を心に秘めて

「俺に?」

賭ける、ついていく?

「ああ。お前なら、女王を殺して、元の世界に戻してくれそうだからな」

「元に…」

「…でも、クロウ、って言ったっけ? あなたは吸血鬼だ。信用できない」

先輩が、そう言った。

「してもらわなくて結構。勝手についていく。秘密の会議に入れろなんて言わないし、なにも情報なんていらない…いや、あいつの情報以外はいらない。だから、それを条件に行こう。クロマ、お前に危機が迫った時、俺が助けよう。だから、妹の情報をくれ」

「…わかった」

「クロマ!?」

「先輩、大丈夫です。こいつは良いやつです」

「すまないな。そいつは、お前らにくれてやる。役立ててくれ。そいつは元々俺の武器なんだ。可愛いやつだぞ」

クロウは先輩の持っている剣を指差して言った。

「そうなのか。名前はあるのか?」

「名前…日本語では"王"ってところか」

「"王"…。わかった」

「お前たち、地上への出方は分かっているのか?」

「いや、俺は分からない。みんなは…」

クロマがみんなを見たが、誰も目を合わせようとしない。

「分かんないらしい。クロウ、分かるのか?」

「まあ、な。案内してやるよ」

そういうわけで、クロウを先頭に、俺たちは地上へと再出発した。


「クロマ、お前は今の女王がどんな奴かを知っているか?」

「いや、知らないな」

「今の女王は、すでに狂っている。そうだな、強い人を求めている。吸血鬼に適性のある、な」

なんとなく俺は後ろを振り返った。

…この中から吸血鬼が出たら、俺は殺せるのだろうか…?

「どうかしたの? クロマ」

不思議に思われたらしく、ユナから言葉が飛んできた。

「あ、いや。なんでもない」

「私の話してたの?」

「してない」

「ちぇ。つまんないの」

んなこと言われても…。

「…勝つとしたら、殺すとしたら今の女王だ。それも真っ向じゃなく、強襲のような形で…ちょっと無理があるか?」

「そうだな。女王がどこにいるか全く分からないから…やっぱり、情報が欲しいな」

「吸血鬼側の本部には女王は居ない。俺自身、吸血鬼の新参者だから女王に実際会ったことは無い」

「へえ。結構長く吸血鬼なのかと思ってたんだが」

「言っただろ? フランスに妹が居るんだよ」

「ああ、そういえば」

「ここを、右だ」

そうして、右に曲がるとそこには

「クロマ!」

「父さん!」

父さんである、ミヤノリシドウが居た。

「鬼…!?」

父さんは、クロウを見つけるとすぐに臨戦態勢に入る。

「わわ、ちょっ! 父さん待って! クロウは味方だ!」

俺がクロウと父さんの間に入ると、父さんは顔をしかめた。

「…味方、だと?」

「うん。味方」

「…信用ならんな」

「信用なんて結構。勝手に協力するだけだ」

父さんの言葉にクロウが応戦し始めて、ああ、めんどくさくなっていく。

「なるほど。まあ、いいだろう。何かしたら、斬るからな。まあ、帰るぞクロマ。上は片付けた」

そう言って踵を返して、父さんは、歩いていく。

「行こうぜみんな」

それぞれは、みな、一同に頷き、歩き始めた。

地上か…懐かしくも感じる。一時はどうなるかと思ったが、帰ってこれた。

……なあ、カホ、俺は…俺は、お前との約束をどうすればいいんだ?

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