仕事感は人それぞれ
上様
「リベロはまたどこか行ってるのか!!」
メガネ先輩
「はい、そのようです」
上様
「お前が甘やかしてるからじゃないのか!」
「やつを上手く使うのもお前の仕事だろ」
メガネ先輩
「申し訳ございません」
上様
「社畜!お前も同期なんだから少しは注意したらどうだ!」
社畜君
「すいません…」
…
社畜君
「リベロ君本当にフリーダムですよね…」
メガネ先輩
「良く思ってなさそうだな」
「まあ仕事観は180度違う」
社畜君
「単純に仕事ができて手早いから自由という訳では無いと思うんですよね…」
「何より嫌なのが、他部署や営業に『もう手いっぱいで受けられません』と話したときに」
「あいつ暇そうだから受けられるでしょと言われるのが…」
マスコットちゃん
「要領がいいとこありそうだから、手伝ってもらっちゃダメなんですか?」
メガネ先輩
「いろいろあってね」
「基本的に、彼が納得した仕事とか、比較的新しい技術を使う仕事でないと面倒なことになる」
「あと、叱るとさらにめんどくさい」
社畜君
「以前手伝ってもらった仕事も、散々説明した挙句戻ってきましたしね…」
メガネ先輩
「多分嫌なことは頭に入ってこないのか、何回も繰り返し聞いてくる」
「それでちゃんとやってくれたらいいんだが、ミスが発覚して上様からお叱りを受けると、『僕には無理なのでメガネ先輩がやってください』と戻ってくる…」
「1ヶ月かけて、仕事内容を共有した時間が無に消える…」
社畜君
「これ、うちの仕事じゃないよねと、他部署に押しつけてきたこともありましたね」
メガネ先輩
「管轄を変えるのは悪いことじゃないんだが、会社内で回すだけだから会社全体としては1ミリも得がない」
「しかも、余裕のあるリベロからそこそこ忙しい部署に回したからな…」
社畜君
「社内で使ってるシステムを強引に新しいのに置き換えようとしたり」
メガネ先輩
「まあシステム刷新するのは悪いことじゃない」
「基本的に新しい方が前の失敗や使いづらさを経て作られてる場合が多いから」
社畜君
「問題は選定内容と、進め方ですよね」
メガネ先輩
「今までの機能をどう補うか、導入直後に落ちる効率をどうするか、慣れない社員を誰が支援するか。その話になってから、リベロの提案が止まった」
社畜君
「面倒くさくなってきたんでしょうね…」
メガネ先輩
「まあ、でも必要なことだ」
「君たちだってある日突然開発環境が、Visual StudioからEclipseに変わりますが、効率を落とさず仕事してくださいって言われたら困るだろう?」
社畜君
「まあ…」
マスコットちゃん
「そうですね」
メガネ先輩
「程度にもよるが、年齢を重ねると、慣れたやり方から切り替える負担も大きくなる」
「あと数年で引退なのに、今から一から覚え直すのはつらい、という人もいる」
「その方々が決定権と決裁権を持っている…」
社畜君
「世知辛い」
メガネ先輩
「変化を好む人間だけで構成された、少人数のベンチャーみたいなところなら、リベロのやり方もはまるかもしれないが、郷に入っては郷に従えとも言うしな」
メガネ先輩
「話はだいぶ逸れたが、俺からリベロに仕事を振る時は彼が得意な分野か、納得しそうなものか、ある程度自由に進められるものに限定してる」
「でないと知らぬ間に後輩がやってることがある…」
社畜君
「なるほど…」
メガネ先輩
「仕事観も、やる気も、能力も異なる人間たちのパフォーマンスを保ちながら、組織として同じ方向を向かせる」
「開発に直結する仕事はしていなくとも、管理職ってやっぱりすごいと思うよ」
マスコットちゃん
「大変ですねえ」
…
リベロ君
「ただいまです」
「経理のおねーさんからお菓子貰ってきました!」
「マスコットちゃん食べる??」
マスコットちゃん
「あっ!ありがとうございます」
リベロ君
「あ!メガネ先輩!」
「まだ誰がやるか決まってなかったあの仕事」
「第二開発部に渡してきましたよ!」
「分野的にあちらのほうが適任ですし」
メガネ先輩
「ああ…そうか……」
(本当は特に忙しそうな第二にこれ以上振らんようにうちで引き受けるつもりだったんだよな)
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