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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
最終章・対決と決別

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自分の意思で自分の道を選びます

屋敷に誰も味方がいないと悟ったエリナは、急にクネクネし始めてアリアの同情を誘う。その母の態度にアリアは……

 エリナの体が震え、ガタガタと歯の根が合わないほどに恐怖に染まる。 


「……アリア……そうよ、アリア……!アリアは見捨てないわよね?あなたは私の大事な娘ですもの!そうでしょう?」


 エリナは唐突にアリアに追い縋り、捲し立てる。


「お母様……」


(大事な娘……私を頼る弱々しい母の声……幼い頃はあんなに欲しかった声。でも何故かしら?あんなに欲しかった言葉が、声が、今はまるで遠くにいるみたいに聞こえる……)


 涙と鼻水でぐしゃぐしゃにりながら、エリナは娘の名を呼んだ。


(お母様、その言葉はもっと早く聞きたかったです)


 アリアは静かにゆっくりと、首を横に振った。


「お母様……私はずっと、お母様の言う通り生きてきました。そして私も信じて生きてきました。黙って頷いていればいいのだと。でも今は違います」


 エリナの顔が引き攣り、途端に猫撫で声を出し娘に縋り始めた。


「なっ、何を言っているのよ……お母様が心配じゃないの??あなたも見たでしょう?もう私には誰もいないのよ??」


 アリアは目に涙を浮かべながら、それでも首を横に振り続けた。


「そんな……ねぇ考えなおしてちょうだい?アリアをここまで育てたのは誰?お母様でしょ?!」


 エリナはまだアリアを懐柔できると思っているのか。口端を嫌な感じで歪ませた。


 アリアは目を閉じて、リリオーネ家での扱いを思い出していた。


(違うわ……私を育ててくれたのは乳母だったもの!お母様は気味悪がって私に触ろうともしていなかったはず……)


「私は自分の意思で、自分の道を選びます!」


 アリアは震えながらも、はっきりと母の目を見てそう告げた。


 チラッとカリスの方を見ると、静かに微笑んで頷いている。


(カリス様……私の人生に光を与えて、私に自信を与えてくれた人!)


 アリアは母エリナへ向き直した。


「私にはカリス様がいます。これからはアリア・リリオーネではなく……アリア・ヴァレンティとして生きていきます。お母様は、もう私を縛ることはできません!」


 その瞬間、アリアの中で長い事アリアを苦しめていた枷が外れるような音がした。


 もう、母の呪いも、罵倒も聞こえては来ない。


(ああ、やっと……)


私は自分の意思で、自分の道を選びます!←この言葉はアリアにずっと言って欲しかった言葉です。

ついに言えてよかった〜!

長いこと苦しめてきた母の呪いがようやく解けた瞬間ですね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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