涙の理由を誰か教えて
愛されたかったと、私たちは同じだとアリアはリディアに訴える。壊れてしまったリディアにその声は届くのだろうか……
「私も、愛が欲しかった。愛されたかったの……人に」
アリアは泣きそうになるのをグッと堪えた。
「でもカリス様はこんな私を愛してくれた!だからこそ、あなたを救いたい……!リディア様!」
リディアは黙ってアリアの話を聞いていたが、やがて顔を挙げた。その顔はひどく歪んでいた。
「……は、は、は……何それ?自慢なの??あなた(アリア)も愛されたから、私にもできるはずだと?」
リディア様……私、そんな事……
違う、違う……とアリアは首を振る。もうアリアが何を言ってもリディアには伝わらない。
「そんな夢みたいな事言ってんじゃないわよ!!」
リディアはそう言うと懐に隠し持っていた小刀を振るった。
「私の前から消えてよ!あなたの顔を見るだけで嫌なのよ!このッ……どこまでもお人よしのアリア!!」
その時アリアは見た。暖炉の炎に反射したリディアの苦痛に満ちた顔を。
リディアの頬を伝う涙を……!!
「もう何もかも遅いのよ!」
リディアが小刀を振り上げた時だったーー
「リディア様!!」
「なっ……」
アリアはリディアから逃げるどころか、むしろリディアに向かっていた。
「アリア!!」
カリスの悲痛な叫びがこだまする!
(こんなに可哀想で、昔の私にそっくりで、愛を求めているリディア様を……私は見捨てる事はできない!!)
アリアはほとんど反射的にリディアを抱きしめていた。
「あ、あ……あ……」
「アリアーーーーッ!!」
「キャアアア!アリア様ぁー!!」
カラン、と乾いた音を立ててリディアの小刀が落ちた。
アリアはほんとにお人よしです。カリス様もアリアのそういう所が憎くて愛らしいんです。果たしてアリアの祈りは届くのでしょうか?
最後まで読んで頂きありがとうございました。




