表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
最終章・対決と決別

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

141/153

愛されたかった、私たち

アリアはリディアの言う通り、降りてリディアの話を聞くことにした。そしてアリアはリディアに自分の気持ちを打ち明ける。



 リディアはアリアの顔をしばらくジロジロと眺めていた。


 アリア、少し見ない間に少しは血色が良くなったのかしら?前よりも顔色が良くなった気がする。


 まあ相変わらず不気味なのには変わらないけど。白い髪の毛、抜けるような白い瞳。その虚弱な透明感で、いつもアリアは目立っていた。


 そしてカリス様を奪った!私のカリス様を!!


 その事が何より許せない。このアリアの聖人ぶった顔を引っ叩いてやりたい。

 この綺麗な顔が苦痛に歪んで、惨めに命乞いをする姿を見てみたいわ!


「……リディア様。私もあなたにお伝えしたい事があるんです」


「ん?」


「私も、王立学校に通っていた時のあなたが羨ましかったんです」


 あれは私がたまたま疲れて中庭のベンチで休憩をしていた時ーー


『きゃははは!』


 金色の髪を煌めかせて、緑色の瞳を細めて太陽のような笑顔で。その瞳に合わせた緑の髪飾りが笑顔を一層魅力的にして……私はその子に思わず見惚れた。

 私とは全く真逆の人。

 周りにはいつも人がいて、あなたを愛して、あなたが笑うと周りも笑顔になった。


 そんなあなたが私も羨ましかった。あの時のあなたが、まさかリディア様とは思わなくて……


「ねぇリディア様」


 あなたは地位も名誉も美しさもある。愛されて育ったはずなのに。何もかもを手に入れているはずなのに。どうして?


「っ……」


「私も、あなたが羨ましかった、リディア様。立派な金髪に、目の覚めるような緑の瞳。はつらつとした健康的な体。何もかも私とは違う」


 そんなあなたがどうしてそんなに私の事を憎むの?何もかもが白い、こんな虚弱な私など……


 リディアの手が怒りでぶるぶると震えた。


「アリア、あなたはわかっていない」


 あなたのどこがとか何がとか、そんな事今さらどうでもいいのよ!

 何を言われても、私の壊れた心には何ひとつ響かない!!


「あなたのせいで壊れたのに!!」  


 私はあなたが憎かった!羨ましかった!!


 でもどんなに頑張っても、私はあなたにはなれない。


「……この絶望が、あなたにわかる?」


 私から何もかもを奪って行ったあなたに!!


 アリアはしばらく逡巡(しゅんじゅん)していたが、やがて穏やかに答えた。


「……わかります。私にはあなたの気持ちが……わかります」


 締め切った窓の冷たさ、その向こうにある家族のぬくもり。どんなに欲しがっても手に入らない。

 

 どんなに頑張っても、私は愛されない。


 ほんの少し毛色が違うという理由で、母から疎まれて。


「私も、愛が欲しかった。愛されたかったの……人に」 


 アリアは泣きそうになるのをグッと堪えた。


アリアもリディアも愛されたかったのは同じ。

どんなに頑張っても得られないものがあると言うのは辛いですね……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ