リディアの企み
リディアはアリアに降りてくるようにと命じた。罠である事は明白だったがアリアは……
リディアはアリアに降りてくるようにと命じた。
「アリア、もしあなたが私をまだ救いたいと1ミリでも思っているのなら降りて来なさい?もし少しでもあなたが私の心を揺さぶる事ができたら、私はあなたに降伏して、何もかも言う通りにするわ」
そのどこまでも上からの物言いに、カリスが静かに怒る。
「……アリア。罠だ、行くな。リディアの事だ……また何かを企んでいるはずだ」
カリスがアリアの腕を掴んで妨げようとする。
「……リディア様……それは本当なのですか?」
「ええ、本当よ」
「ッ……アリア……君は……」
「カリス様。私にもう一度だけチャンスをください。リディア様と和解できるチャンスを……」
「……クソッ……アリア……」
カリスにはアリアが一度決めたらやり遂げるまでその事で頭がいっぱいになるのを知っていた。
そこが可愛い。でも同時に危うい。どうしてこの子はこうなのか。どこまでもお人よしの、可愛いアリア。憎くて腹の立つ……全てが愛おしい……
「……わかった。しかし俺が危ないと判断したらすぐにリディアと引き離すぞ」
「……はい!ありがとうございます!」
アリアの顔がパッと明るくなる。どうして一度は命まで狙われていたであろう相手に、そんな顔ができるのか。
カリスはアリアのおでこに軽く口付けを落として、アリアの背に立って待つ事にした。
(リディアめ……何を企んでいる)
カリスはアリアを気にしながら、同時に剣の柄を握りしめた。
嵐の雷が窓を照らし、三人の影を不吉に揺らしていた。
アリアはもう自分の意思で決められます。最初の頃はあんなにビクビクしていたのに……成長して嬉しい!
カリス様の言葉も愛があっていいですね。じんわりと来ます!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




