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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十六章 二人の時間

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触れていいのは、あなただけ

カリスの優しい声、優しい言葉にアリアの張り詰めていた心が溶けていく。



 俺はしばしポカンとしていた気がする。


 この子はそんな事を気にしていたのか?だからあの時、俺の手を避けたのか。


 思わずクスッと笑ってしまう。


「カリス様、何かおかしいですか?」


「ふ、いいや?何もおかしくはない」


 俺の笑顔を見て一気に気が緩んだのか、アリアの目から涙が次々に溢れ出す。


「もう触れてもいいかな?」


「はい、私……早とちりして、すみませんでした」  

 俺はアリアの頬をさすり、次々と溢れる涙に口づけを落とす。先程まで青ざめていた顔は、ほんのり色付いていた。


「もっと深く、触れてもいい?」


 * * *


 深く触れるーーその意味がわかった時、心臓が跳ねる。


 でも……怖くない。私に触れるのは他の誰でもない、カリス様だから。


 答える代わりに私はカリス様の逞しい胸に静かに寄り添う。


「……カリス様。私を助けてくださってありがとうございます」


 いつも、私がそばに居て欲しい時に側に居てくれる人。


「アリア……」


 カリス様の顔をそっと見上げる。赤い瞳には私しか映さない。その色がとても優しくて。


 私は初めて会った日のことを思い出す。


 あの時もカリス様は、穏やかで優しい目をしていたーー


 思わず鼻がツンとなる。


「カリス様……」


 私の手にカリス様の手が重なり、胸の鼓動が耳に触れる。

 カリス様の腕が、迷いなく私の腰に回される。


「もう大丈夫だからね」


 低い声が私の白銀の髪に落ちる。そのどこまでも優しい声音に涙が滲む。


(カリス様……嬉しい……)


 そのまま、お互いにそっと唇を触れ合わせた。やがて深く、浅く、息が混じり、心が静かに溶け合っていく。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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