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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十六章 二人の時間

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こんなに優しい声なのに

噂話を聞いたアリアにかけられたのはカリスのひどく優しい声だった。


※アリア視点です。

「……カリス様……」


 気がつけば私はカリス様の部屋の前に立っていた。カリス様らしい、冷たい威厳のある重厚な扉。 

 心臓はまだ、不自然なくらい速く脈打っている。


(どうしよう。勢いあまって来たのはいいけど、怖くなって来たわ……)


 いつもは何の不安もなく入れていたカリス様の部屋の扉が、今はとても頑丈な鉄の柵に思える。


(でも聞かないと、前に進めない)


 私が意を決して、扉をノックしようとしたその時ーー

 

 扉の向こうから、柔らかな紙の擦れる音がした。


「アリア……?」


 あ、カリス様の低くて優しい声……


 扉が静かに開いた。

 カリス様が、驚いたように私を見つめていた。

 書類を片手に、椅子から立ち上がったところらしい。


「アリア?……ああ、顔色が悪いよ。まさかまた貧血か?」


 カリス様はそう言うと、慌てて私を部屋に招き入れて椅子に座らせた。


「温室に行っていたかと思った。ちょうどいい、休憩しよう。ハーブティーでよかったか」


「あっ、あの……カリス様……」


(聞かなくては……私に何があったのか)


 カタン、と音を立てて椅子から立つ。


「……?アリア、まだ準備が……」


 カリス様がそう言って肩に触れそうになるのを、私は思わず避けてしまった。


「……え……」


「あっ……」


 どうして……私……


「いえ、違うんです。カリス様、今のは……」


 逃げたくて避けたのではなくて……もし、もし私が……


「アリア……?」


 もし私が……連れ去られた私が、ランス様に触れられていたら?


「……私……、汚い……から……」


「アリア?何故急にそんな事……」


「だって私はランス様に連れ去られたんでしょう??」


 いつのまにか私の瞳には涙が滲んでいた。


アリアは何か思い違いをしているんですね。切ない……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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