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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十六章 二人の時間

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従者の噂話

アリアはカロンの食事とカリスの世話のおかげで、だいぶ調子を取り戻していた。そんなある日のこと、アリアは温室に向かう途中で従者の噂話を聞いてしまう。


※アリア視点です


 しばらくして、カロンの食事やカリスの助けのおかげでだいぶ回復したアリアは、ある天気のいい日。温室への道を一人で歩いていた。


 廊下の角を曲がろうとした時だった。


「……本当らしいぞ。あのランスって男に連れ去られてーー」


「領主様が飛び込んだ時には抱えられて……」


 従者の噂話?領主様……カリス様の事だわ。


 ランス?

 連れ去られた?……誰が?


 胸がドキドキと不穏な音を立てる。


「でも不思議だよな。アリア様、あの時のこと……全部忘れてるって。普通、あんな目に遭ったらーー」


「しっ!声が大きい!」


 誰……何……何と言ったの?私……?私が、何なの?


 ふたりの従者のひそひそ声は、耳に突き刺さるほど鮮明に聞こえた。


(あの時……?あんな目……?誰がどんな目に遭ったの!?)


 頭がガンガンする。

 嫌な汗が手のひらにじんわりと吹き出す。


「領主様が抱きかかえて戻られたって話だが……」


 その瞬間ドキンと心臓が跳ねる。


 カリス様の腕の中ーー?

 涙と震え。

 冷たい雨と、雷鳴が轟いて……


 断片的な感覚だけが、突然わたしの中でざわざわと蠢きだす。


 ふたりの従者はまだ気づかない。


「それに……ランス様は国外追放同然で。そりゃそうだろう、あんなーー」 


 そこまで聞いたところで、私は(こら)えきれずに聞いた。


「あの……さっきからあなた方が噂しているのは、一体誰のことですか?」


 従者たちはびくりと肩を揺らした。


「おっ……奥様!!」


「アリア様!」


 従者たちは私を見て目を見開いた。その気まずそうな顔を見て、私は悟った。


(やはり私の事だったんだわ……ランス様に連れ去られた人は……)


 どうしよう。何の事だか思い出せない。カリス様を領主会議に見送ったのだけは覚えているのに、そのあとの事がぽっかりと……


 どこか遠くで風が吹く音が聞こえ、足元が急に冷たくなった。 


【領主様が抱きかかえて戻られたって話だが……】


 そうだ、カリス様なら何かを知っているはず……!

 とても怖いけど、私に何が起こったのか聞かなくては。自分自身の事だもの……!


 気付けば私は、カリス様の部屋へ向かっていた。


やはりずっと知らないってわけにはいかないよね。

果たしてカリスは話してくれるのでしょうか!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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