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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十五章 アリアの救出

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もう大丈夫だよ

ランスはカリスの殺気にすっかり怖気づいていた。


※カリス視点です。

「ダメよお兄様!今ランスを殺したらお兄様が捕まってしまうわ。それよりアリアをお願い!ここは私に任せて」


「……カロン……」


 俺の背後からカロンの声が聞こえた。

 カロンはミナトを走らせ、今やっとレオンハルト邸に到着したところらしい。


 ……そうだ。俺の目的はアリアの救出だ。俺は剣を鞘に戻して短く息を吐く。


 ランスをチラッと見ると、腰を抜かして呆然としていた。


「…………」


 は……俺はこんな腑抜けを殺そうとしていたのか。こいつなど、殺す価値もない。


 ランスにはもうあの頃の輝きはなかった。一体何がこいつをこんなに堕としたのか。


 俺はランスを無視してアリアの元に駆け寄る。


「……アリア……怖かっただろう」


 俺は眠っているアリアに話しかける。優しく、包み込むように。先程の雨で濡れたのか、銀白色の髪が白い首筋に張り付いている。


「もう大丈夫だよ……アリア……」


 そう言ってアリアの頬を触ると、青白かった頬がかすかに血色を取り戻した気がした。


(聞こえているのか?……俺が助けに来たのがわかったのか?……)


 どちらにせよ、もう決して離しはしない。


 アリアを抱きしめ、その頬にそっと口付けて、今にも溢れ出そうな感情をグッと飲み込んだ。


(アリア……本当に無事でよかった)


 抱き上げると、いつもよりも軽く感じた。体温もずっと低い……


「……ックソッ……アリア……」


 俺は従者にありったけの毛布を持って来させてアリアを包んだ。


「しばらく我慢してね……」


 冷たいおでこにキスを落とした。

 その冷たさに、俺の手は驚くほど震えていた。


ようやくアリアを救出しました。ランスは殺されるかと思ってたけど殺されなくてよかったね。

カリス様のアリアへの優しい言葉に涙。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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