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赤い侯爵と白い花嫁〜愛を知らない二人が描く、歪な愛の物語  作者: 杉野みそら
第十五章 アリアの救出

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狂気の咆哮・ランス

ランスは静かな屋敷で一人、祝杯をあげていた。

それはこれからどんな目に遭うかわかっていない男の虚しい祝杯であった。


※三人称です

※ランスは少しおかしくなってます。

 レオンハルト家の館。


 嵐はすでに峠を越え、静けさが戻っていた。


 だが、その静けさはまるで墓場のように不気味だった。


 ランスは自室の寝台にアリアを横たえ、震える手をその白い頬に這わせる。

 微かに濡れた唇を見て、狂おしいほどに息を詰めた。


「ああ……夢ではなかろうか!!アリアが俺の部屋にいる!ついに!ついに……カリスの魔の手から、アリアを助けてやった!!……」


 ランスは祝杯とばかりにテーブルの酒を開けた。

 酒と寝台に横たわるアリアを交互に見やる。


「アリア……ああ、アリア……」


 君を汚したくないというカリスの気持ちがわかるよ。この玉のような白い肌……触れたら壊れてしまいそうだ。


 ーーだが、俺はあいつとは違う。あいつを、カリスを超えてやる!やっと、やっと……


「やっとだ……やっと、やっと……アリア!!」


 アリアを俺のものにできる!!


「アリア、君が目覚めたらきっとわかるさ……俺の愛がどれほどだったかを」


 そして思い知るのだ。あの澄まし顔のカリスなどは、このランス様の足元にも及ばないのだと!


「ははははは!ひゃはははは!!」


 ランスが狂気の咆哮をあげたその瞬間、扉の外で激しい足音が響いた。


 ガンッ!!


「そこまでだ、ランス」


 ランスが振り向いた先には重い扉を蹴り開けたカリスが立っていた。


 肩からは雨粒が滴り、長い黒髪は濡れて頬に張りついている。

 冷ややかな瞳は、夜よりも暗く光を宿していた。


「そこまでだ、ランス」というセリフは、二回目なんですよね。しかし晩餐会の時とはちょっと状況が違います。ランスは少しおかしくなっているのだから。

カリス様は自分を制御できるのか!怒りのままにランスを斬ってしまうのか?


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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