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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十五章 アリアの救出

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闇さえ追いつけぬほどに

カリスはアキトと共に駆ける。アリアを救う……その一心で……!


※カリス視点です。ちょっとだけランスの回想が入ります。

「走れ!アキト!」


 アキトを走らせ、ランスの屋敷へ向かう。

 

 ランスの屋敷へは何度か行った事がある。晩餐会の時もランスは自分の屋敷で開催していたからな。

 あいつは自分に誇れるものがないから、自分の周りにあるものでしか自分を誇示できないのだ。


「クソッ……アリア……」


(アリアを気にして帰ってきてよかった……そもそも本来領主会議などは出なくてもいいのだ。俺は信用されているからな)


 ーーランスが俺に対して劣等感を抱いていたのは知っていた。

 だが俺はあいつの事など気にしていない。あいつが庶子だということにも興味がなかった。


 ……それが逆にあいつの癪に触ったのだろうな。


 でもそれとアリアとは関係ないだろう!


 ランス、見損なったぞ……、確かにお前はいつも俺に勝とうとして空回りしていた。が、お前には才能があった。その陽気な性格で、お前の周りにはいつも笑顔が溢れていた。


 それは俺には到底できない、お前にしかできないと思っていたのに……


 俺はその点だけは、お前を認めていた。


 そんな男にアリアが囚われている?


 一体どうやって入った?警備は万全だったはずだ。侍従たちもいつもの倍に増やしていたはず。


 アリア、俺の可愛い嫁。


【わぁ!すごいすごい!私城下町って初めて来ます!】


 お前は知らない。アリアがはしゃぐ様子がどんなに愛らしいのか。


【んッ……ぜんぶ……カリス様のもの……です//】


 頬を染めて一生懸命に言葉を紡ぐアリアがどんなに可愛いか……


【私も、カリス様に支配されたいのです……これは、おかしい事なのでしょうか】


 そしてアリアも俺と同じくらい、歪んでいるという事を。お前は知らないのだ。


 そんなアリアにお前などが触れるなど……


「……俺に殺されたいのか?」


 呟く声が風に消える。


 視界が真っ赤になる。

 その奥で、胸の底まで凍りつくほど冷たい怒りだけが、静かに脈打っていた。手綱を握る手に力が入る。


「駆けろ、アキト!闇さえ追いつけぬほどに!」


カリスとアキトのコンビすっごい好き。

「駆けろアキト!闇さえ追いつけぬほどに!」

一瞬意味がわからないとは思いますがカリスの内側にいる闇を抜かすほど速く。という事ですね。

これはカリスに言わせたかった一言なので言わせる事ができてよかったです。馬の話すると止まらないわ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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