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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十四章 リディアとランス

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壊れた人形のように

ついにリディアを屋敷に招き入れたアリア。

リディアの話とは果たして……


※アリア視点です。

 応接室には、白百合を模した香炉の煙が静かに漂っていた。

 深紅のカーペットに陽が差し込み、窓辺のレースが風にゆらめく。


「お久しぶりね、アリア。この部屋、ずいぶん趣味がいいのねぇ」


 リディア様はひとしきり部屋を見渡して感嘆のため息を漏らした。


「あ、ありがとうございます。カリス様が私の好きな白を基調にしてくださったの。それで……素敵にしてくださったんです」


 カリス様のお名前を出したらリディア様は怒るかしら?怒らないよね。私の気持ちはすでに伝えているし……


「ふーん……」


 二人の間に気まずい沈黙が流れる。


「……とても素敵ね。まるであなたの透き通るような瞳みたいで。清らかで、眩しいわ」


 リディア様はそう微笑みを浮かべ、椅子に腰を下ろした。


(なんだろう、なんか……リディア様の微笑みに違和感を感じる。前まであんなに感情豊かだったのに……今はまるで)


 壊れた人形みたい……


 リディア様のその笑みは柔らかいのに、目だけが異様にギラギラしていて……


 ……怖い。やはりお迎えするべきではなかったの?


「アリア、私あなたにずっと謝ろうと思っていたの。舞踏会の時も、その後二人で会った時も。私……あなたにひどいことを言ってしまったわ」


「え……」


「謝罪をさせてちょうだい。あの時は本当にごめんなさい」


【あなたは見た目も儚いし、大人しい性格だから、女を虐げて悦に浸りたいサディストな男達の注目の的だった】


【どうせカリス様も、その虚弱で薄幸そうな雰囲気で虜にしたのでしょう?】


「さまざまな嘲りを駆使して、あなたを罵ったわ」


 リディア様……!


「……そんな。もう謝罪はお受けしています。……あの時は私も未熟でした。自分のことで精一杯だったから……」


 リディア様はわずかに目を伏せ、唇の端に小さく笑みを浮かべた。 


このお話とは関係ないですが、性善説って信じますか?私は信じたいと思うけど、なかなかうまくいかないと思いますね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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