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赤い侯爵と白い花嫁〜愛を知らない二人が描く、歪な愛の物語  作者: 杉野みそら
第十四章 リディアとランス

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罠にかかるアリア

リディアと和解できるかもしれないと思ったアリア。

 『どうしてあなたばかりが愛されるの?いつもいつも……カリス様まで!カリス様は……いつも冬の氷のように壁を作られて、誰にも心を許すことはなかったのに。あなたの前ではすごく楽しそうで……』


 あの時のリディア様、すごくお辛そうだった。

 

 馬鹿なことをとカリス様は笑うかもしれないけど……私はリディア様のあの苦痛に満ちた叫びを忘れられない。



 *


「お通しして。応接室を用意してちょうだい。それから紅茶を……」


「奥様、でも旦那様が……」


「今は私がこの屋敷の主です。全ての責任は私が持ちます。だからミツキ、安心して」


「……っ、かしこまりました」


(奥様は大丈夫かしら?あの女(リディア様)の瞳を見た時、私は底冷えするような寒さを感じた。そうだ……旦那様は無理でもせめてカロン様に……)


「ありがとう、ミツキ」


 私は胸に手を当ててそっと微笑む。リディア様を助けることができるかもしれない、その希望が私を強くした。


 だけど……玄関先に立つリディア様のお姿は、まるで別人のようだった。

 深紅のドレスの裾をひるがえし、金の髪を高く結い上げ、表情にはかすかな笑みを浮かべている。

 その笑みが、なぜか氷のように冷たく見えた。


(あれ?気のせいかしら。リディア様の雰囲気が……)


「ごきげんよう、アリア。突然の訪問を許してくださるかしら?」


「……あ、ええ!もちろんです。いらしてくださって嬉しいわ……」


 リディアはゆっくりと屋敷の中に足を踏み入れた。


 その背後で、馬車の車輪が静かに遠ざかる音がした。

 まるで帰り道など、初めから存在していなかったかのように……


アリアちゃーん!

世の中には悪い人もいるのよ!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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