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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十三章 不穏な影

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リディアの最低な提案

いまいち乗り気でないランスに対して、リディアはある提案を持ちかける。


 俺は、別にアリアを壊そうだなんて思ってはいないが……


 リディア嬢は少しおかしくなっているんじゃないのか?


「……それで呼びつけてどうするんだ」


「リディア・ベルダンディの訪問とあらば、アリアはそれなりにもてなしてくれるはず。その時に……」


 リディアは小瓶を取り出して見せた。


「……リディア嬢。その小瓶は……」


 リディアはほほほ、と高笑いをした。


「ご心配をなさらず。アリアには少し眠ってもらうだけよ。あなたは目が覚めたアリアに嘘をついて私を悪者にし、アリアを助けたとでも言えばいい」


 気がついたアリアはまたしても私を救えなかったと絶望し、嘆くはずよ。


 そこであなたが優しく声をかけて、アリアはあなたの優しさに胸を打たれて、あなたの腕に泣いて飛び込んでくるはずよ。


「そんな……アリア嬢の純粋な気持ちを騙すようなことは……」


 リディアはランスのその言葉を聞いて一気に怒りが湧いた。


(ランス様も、アリアの純粋さにやられちゃって……どこまでも邪魔をする!あの子の曇りのない澄んだ瞳!)


「……そうだ。ランス様、こんな噂はご存知?」


「噂?」


(これは全くの私の想像だけれども、アリアのあの感じは……まだ男を知らない)


「アリア嬢はまだ誰のものでもないの。興味あるでしょう?」


(カリス様はまるでアリアを宝物のように扱って、大切にしすぎたのよね!)


 ランスの眉根がピクリと動いたのをリディアは見逃さなかった。


「カリス様はアリアを宝物のように大事に大事にしてる。汚したくないのよ。とても素敵よねぇ」


「……ああ……」


「でもその大事な宝物、奪ってみたいと思わない?あなたはアリアの最初の男になるのよ」


 リディアは鈴を転がすような声で甘い毒を吐く。


「……あ、あ……」


 ランスの喉が思わずゴクリと鳴る。仄暗い思いが再び鎌首をもたげ、アリアの白い肌が脳裏を過ぎる……


(まさか……アリアに手を出していない?……あんなに独占欲をむき出しにしていて、俺を殺さんばかりだったのに……)


 でも俺が触れたら、きっと汚れてしまうんだろうな。アリアは……


 アリアを汚したくないという思いと、あの白い肌に触れてみたいという気持ちでいっぱいになる時がある。


 拒んだアリアの顔を見た時、俺は確かに嗜虐心に駆られた。


……アリアのあの美しく純粋な心と体を……この手で汚したいと確かに思った。思ってしまったのだ。


リディアは最低で胸糞で、ランスも同じですね。

やっぱり気持ち悪いねこの人!


※アリアはこの世界では成人設定です。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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