赤い侯爵と白い花嫁

「黙って頷いていれば、大抵のことはうまくいく」

その言葉を信じて生きてきたアリア・リリオーネ。
白い瞳と銀の髪を持つ彼女は、母の愛を乞いながら、自分の意思を閉ざして生きることを覚えた。

そんな彼女に告げられたのはーー
"氷の侯爵"、"紅い悪魔”と恐れられる侯爵、カリス・ヴァレンティとの縁談。
けれど実際に目にした彼は、噂とはまるで違う、静かで優しい瞳をしていた。

「私をもっと褒めてください」

愛し方を知らない男と、愛され方を知らない娘。
二人の付き合い方は初めは可愛いらしいものだったが、やがて少しずつ、二人の関係を歪(ゆが)め始める。歪(いびつ)な恋は徐々に二人を侵食し、さらに深みにハマっていく……

『赤い侯爵と白い花嫁』ーーこれはアリアとカリス、二人だけの純愛物語。