プロローグ5:遺跡:二日目3
それは、少し歩いた場所に合った。
「・・・なんだこれは。」
地図上にそれは記されていない。
「何故、ここにこのようなものがあるのだ。」
突然私達の前に現れたもの、それは———————
【遺跡】
そこは山道でも確か開けた場所だった。
良く旅人の休憩地として利用されていたその場所には今遺跡があった。
「・・・道を間違えたか?」
「一本道を間違える程貴殿の脳味噌は阿呆なのか?」
今すぐ隣の男を張り飛ばしたくなったがとりあえず保留にし目の前の現実に向き直る。
流石にこの遺跡を放置する程私も騎士を捨ててはいない。そしてこの発言をしたからと言っていくらかは騎士をすててる自覚がある等と思わないように。
・・・盗賊ならいざ知らず。遺跡———ロストテクノロジーは少々厄介なのだ。
遥か昔、先人が造ったと言われる兵器保管庫———それが世界に知られる【遺跡】の詳細だ。
流石に、そんな代物を放置する事は出来ない。
「調べよう。明かりはあるか?」
「私が照明術ごときを使えんと思ったのか?」
小言は聞こえん。
二人そろって遺跡の内部へと入る。
勿論アイゼルが私の前である。アイゼル程の者ならどんな事が起きても対処出来るでしょう?と言うと快く承ってくれた。便利である。
内部は暗く、照明術を持ってしても全てを照らす事は出来ない程の広さであった。
所かしこに【遺跡】の象徴とも言える失われた技術で加工された金属が取り付けられている。それは照明術に照らされて鈍く輝き何とも不気味な雰囲気を漂わせていた。
そして、この遺跡で最も目を引く物が・・・。
「・・・なんなのだ?この鋼の固まりは・・・。」
【遺跡】の中心にそびえ立つ、巨大な金属の集合体である。
「・・・わからない。しかし今までの経験から言ってこれもロストテクノロジーの一種なのだろう。」
「先人の兵器・・・?ふむ、面白い物に巡り会った。調査するのか?」
「いや、流石に私の許容範囲を越える。これが先人の兵器だと言うのはわかるがそれ以外何もわからない。下手に触るより報告に戻った方が良いだろう。」
「ついでにその功労で王の命の事を有耶無耶にしようという考えか?」
「・・・。」
無言は肯定だと誰が言ったんだったかなー。
「長居は無用だ、行こう。」
私は巨大な金属の集合体から背を向ける。
長居は無用。先人の残した物は一体どんな能力があるのかまったくわからない。理由も無くここに長居する事は危険過ぎるのだ。
しかし、一向に隣からの返答は来なかった。
「?どうした。アイゼル・・・?」
不信に思った私はそう言いながらアイゼルの方を、後ろを振り向いた。
アイゼルの視線は後方の【遺跡】の中央へと注がれている。
私はそちらに目を向けた。
そして驚愕する。
動いている。
何が?と明確に表現は出来ないが動いている。言い換えるなら機能している。
振り返った私が見たのは突然動き出した先人の兵器と。
突如私を首根っこを掴み遺跡の外へと走り出そうとするアイゼルと。
次の瞬間、私の眼前をすべて白に染め上げた光だった———————
ここまでがプロローグです。
別名「オリキャラな彼等を知ってみような話」です。ネーミングセンスって美味しいよね。
この先どうなるんでしょう。それは私にもわからない。
さてはて、物語の続きへどうぞー。