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Marginal Man  作者: 志藤天音
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track_11 Marginal Man(2/4)

〜〜〜


 冬期講習や自習をするために、冬休みも学校に来る生徒たち。誰も指示してないのに、自主的に勉強する姿は立派だ。この三年間で逞しく成長している。


 にしやんは生徒たちの姿を見ながら、この三年間のことを考えていた。

 15歳の少女たちが、たくさんの仲間と共に様々な経験を積んできた。辛いこともあっただろう。もちろん楽しいことも多かったはずだ。

 15歳は人間で言えば『第二の誕生』の時期である。子どもから大人になるまでの間の青年期に当たる高校生。この時期が一番大変だけど、一番輝ける時期でもあるとにしやんは考える。


 そう、『マージナルマン』は心理学的に言うと青年期を指す。大人でも子どもでもない状態の期間である。この時期に大人たちがどんなふうに導いていくか、それがこれからの人生を左右する。

 結構大事な時期ではあるし、大人にとってもかなりのプレッシャーになる。

 でもこういったことを意識している人などほとんどいない。みんな青年期は誰もがもがき苦しみ、それぞれなんらかのきっかけで自然に解決するもの。そういう認識なんだと思う。


 だけど渋学はそんな青年期を迎える生徒たちへの指導をしっかり行なってきた。

 特に女子校だったからだろう。いじめ問題をロールプレイで体験してみたり、将来自分がどんな大人になりたいかスピーチしたり、母親の立場から自分の子どもをどう育てたいか小論文を書かせたりと、自分の意見をしっかり持たせるような授業もたくさんしてきた。

 そうやって、一人の大人として社会に出す。それが渋学の目標でもある。


 「今年もガールズは立派に育って卒業していってくれそうだよ。本当にいい子たちだった」

 まだこれから受験だというのに、早くも泣きそうになるにしやん。にしやんのメンタルもおかしくなってないか心配になる。


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